放流前にドローンで河川の安全チェック! NTTイードローンが瀬田川洗堰で長距離の目視外飛行に成功
2024年8月28日

管理人のイエイリです。

河川の流量や水位を調整するため、河川をせき止めている水門を開けると、上下流の水位や流速が急に変化して思わぬ事故につながることがあります。

そのため、琵琶湖南端にある瀬田川洗堰を管理する国土交通省 近畿地方整備局 琵琶湖河川事務所(以下、琵琶湖河川事務所)では、放流前に職員が河川を見回り、水辺にいる人に注意を促していますが、その要員確保が課題になっています。

そこで琵琶湖河川事務所では、

ナ、ナ、ナ、ナント、

ドローンで河川を巡視

し、取り残された人を発見しようという取り組みを行っているのです。(NTT e-Drone Technologyのプレスリリースはこちら

実証に使われた「ANAFI Ai」型ドローン(以下の写真、資料:NTT e-Drone Technology)

実証に使われた「ANAFI Ai」型ドローン(以下の写真、資料:NTT e-Drone Technology)

しかし、通常のドローン遠隔操作に使われている2.4GHz帯の通信だけでは、300m程度の範囲しかドローンを飛ばせません。

そこで、この業務を受注した東京建設コンサルタント(本社:東京都豊島区)の下で、ドローンに関する技術協力としてかかわるNTT e-Drone Technology(本社:埼玉県朝霞市。以下、NTTイードローン) は、携帯電話に使われているLTE回線によって操縦や映像伝送が行える「ANAFI Ai」型ドローンを使い、より長距離の目視外飛行にチャレンジしました。

通常の2.4GHz帯の通信では、ドローンの飛行範囲が限られていた(緑線の部分)

通常の2.4GHz帯の通信では、ドローンの飛行範囲が限られていた(緑線の部分)

LTE回線が使える「ANAFI Ai」型ドローンだと、大幅に飛行可能な範囲が広がる

LTE回線が使える「ANAFI Ai」型ドローンだと、大幅に飛行可能な範囲が広がる

2024年5月30日に行った実証実験では、琵琶湖河川事務所内の操作室から、ドローンの操作を行い、従来のドローンでは到達できなかった約1km先まで飛行させました。

また、ドローンに搭載された4800万画素のカメラから、NTT東日本グループが開発した映像伝送システムを使って、Web会議システムよりも高画質なリアルタイム映像を途切れることなく送ることができました。

琵琶湖河川事務所内からのLTEを経由したドローン操縦

琵琶湖河川事務所内からのLTEを経由したドローン操縦

ドローン操縦用の送信機に送られてきたリアルタイム映像

ドローン操縦用の送信機に送られてきたリアルタイム映像

操作室内のモニターにもクリアな映像が送られてきた

操作室内のモニターにもクリアな映像が送られてきた

さらに、この映像を使って、河川内や岸辺にいる人や車両、船を

リアルタイム検知

することもできるのです。

ANAFI Aiの映像から高精度で人や車両、船舶を自動検知できることが確認できた

ANAFI Aiの映像から高精度で人や車両、船舶を自動検知できることが確認できた

河川の堰やダムなどの放流前に、人が中州に取り残されたりしていないかを安全確認する作業は、全国共通の課題です。

NTT東日本グループは、今回の検証結果を踏まえて、全国の河川事務所やダム管理者を対象に、新技術活用による河川巡視業務の課題解決に取り組んでいくとのことです。

NTT東日本グループのドローンによる河川巡視業務の課題解決イメージ

NTT東日本グループのドローンによる河川巡視業務の課題解決イメージ

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