鉄道総研がトンネル用プロジェクションマッピング装置を開発! 変状箇所を壁面に投影し調査時間を半減
2025年3月7日

管理人のイエイリです。

日本の鉄道トンネルは総延長が約4000kmもあり、他のインフラと同じく、時間と労力を要する点検作業の効率化が課題となっています。

そこで鉄道総合技術研究所(所在地:東京都国分寺市)は、トンネル壁面を撮影し、AI(人工知能)で「鉄筋の露出」や「漏水」などの変状箇所を抽出する「変状抽出・健全度アプリ」を開発しました。

様々な変状を90%以上の精度で抽出でき、変状発生の位置に応じて健全度を4段階で自動判定するものです。

このアプリによって、変状抽出と健全度判定作業に要する時間は、検査員による判定に比べて50分の1以下に削減できました。

変状抽出・健全度判定アプリで抽出したトンネル内の変状箇所と区間ごとの健全度(以下の写真、資料:鉄道総合技術研究所)

変状抽出・健全度判定アプリで抽出したトンネル内の変状箇所と区間ごとの健全度(以下の写真、資料:鉄道総合技術研究所)

変状抽出AIの精度検証結果

変状抽出AIの精度検証結果

しかし、この結果をもとに現場に出掛けて打音検査などを行う場合、トンネル内の暗い中で検査すべき位置を特定するのが大変でした。

そこで開発したのが、

ナ、ナ、ナ、ナント、

プロジェクションマッピング

のような装置なのです。(鉄道総研のプレスリリースはこちら

プロジェクションマッピングのようにトンネル内に変状箇所を映しながらの点検の様子

プロジェクションマッピングのようにトンネル内に変状箇所を映しながらの点検の様子

レール上を移動しながらプロジェクションマッピングを行う「要注意箇所投影装置」

レール上を移動しながらプロジェクションマッピングを行う「要注意箇所投影装置」

正式名称は「要注意箇所投影装置」という装置で、レール上を移動しながら、トンネル壁面に調査すべき箇所を投影するものです。

走行距離に連動してスクロール移動するメッシュの中に、要注意箇所を現場投影するものです。要注意箇所は赤く塗りつぶして投影することで、位置の特定が簡単にできます。

トンネルの断面形状は馬蹄形や矩形、円形などがありますが、それぞれに応じて適切に投影できるようになっています。

様々な断面形状のトンネルに対応して投影が行える

様々な断面形状のトンネルに対応して投影が行える

この投影装置によって、現場で要注意箇所を特定するのが効率的になるため、打音調査に要する時間は

半分以上削減

できるようになりました。

投影装置の使用で打音調査の時間は半分以上も削減された

投影装置の使用で打音調査の時間は半分以上も削減された

トンネル内の暗さを逆手にとって、プロジェクションマッピング技術を現場に適用することで、打音調査の位置が一発でわかるようにしたのは、素晴らしいアイデアですね。

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