ドローンでコンクリート壁に穴開け! 西武建設、建築研究所、東京理科大が「壁面接触作業ドローン」を開発
2025年6月3日

管理人のイエイリです。

コンクリート壁の維持管理などでは、ドリルによる穴開けやボルト用の充填剤注入、仕上げなどの作業が必要なことがあります。

これまでは足場を組み、作業員がそこに上って作業するのが一般的でした。

コンクリート壁へのドリルによる穴開け(上段)、充填剤の注入(中段)、仕上げ(下段)の作業例(以下の写真、資料:ミライト・ワン)

コンクリート壁へのドリルによる穴開け(上段)、充填剤の注入(中段)、仕上げ(下段)の作業例(以下の写真、資料:ミライト・ワン)

しかし、一つの穴開け作業のために、足場を組むのは工期、コストの点で二の足を踏んでしまいそうですね。

そんな壁面作業の課題を解決する画期的なマシンが、ミライト・ワンのグループ会社である西武建設建築研究所東京理科大学によって共同開発されています。

ナ、ナ、ナ、ナント、

ドローンでドリル作業

などを行う「壁面接触作業ドローン」なのです。(ミライト・ワンのプレスリリースはこちら

コンクリート壁に密着し、穴開け作業などを行う「壁面接触作業ドローン」

コンクリート壁に密着し、穴開け作業などを行う「壁面接触作業ドローン」

このマシンは、4つのローターによって飛行するフレーム内にドリルなどの工具を搭載し、垂直の壁に横から“着陸”して、様々な作業を行うものです。

2020年度から3者による開発が始まり、当初は外壁点検システムとしての開発が進みました。

その後、2023年度にはドリルによる壁面の中性化測定作業、2024年度には穴を充填剤で埋めて表面を仕上げる復旧作業と、年々、作業機能が進化しています。

本機による作業のイメージ

本機による作業のイメージ

機体の細部構造。工具の反力は斜め方向に設置したローターの推進力などで確保する。工具の位置を微調整する3次元スライダーを搭載

機体の細部構造。工具の反力は斜め方向に設置したローターの推進力などで確保する。工具の位置を微調整する3次元スライダーを搭載

ドローンによる作業と聞けば、気になるのが位置決めの精度です。

このマシンには、ミリ単位での位置決めができるように、左右390mm、上下280mm、前後190mmの可動域を持った位置制御機構(3次元スライダー)を搭載しています。

そこで、おおまかな位置に着陸した後、3次元スライダーで

工具の位置を微調整

することで狙った位置への穴開けなどが行えます。

壁面への着陸から3次元スライダーによる位置決めと作業、終了後の着陸までの飛行手順

壁面への着陸から3次元スライダーによる位置決めと作業、終了後の着陸までの飛行手順

気になるのは作業の品質ですが、2024年度に行った実験では、ドローンによる作業でも穴の中にシーリング材がまんべんなく充填されていることが確認できました。

シーリング材がまんべんなく充填された筒。穴の内部に仕込んでおいて作業後に取り出したもの

シーリング材がまんべんなく充填された筒。穴の内部に仕込んでおいて作業後に取り出したもの

この「壁面接触作業ドローン」は、2025年6月4日~6日、幕張メッセで開催される「Japan Drone2025」(主催:日本UAS産業振興協議会)の西武建設ブース(ブース番号:AL-23)に出展されます。気になる方は出かけてみてはいかがでし

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