管理人のイエイリです。
建設業のDXというと、BIM/CIMや点群、ドローン、ICT施工のような表舞台の技術に目が行きがちですが、裏方を支える「バックオフィス」ではそれと同じくらい面倒で、しかも避けて通れない仕事があります。
例えば、外部提出用のPDFや公開資料の墨消し作業です。 工事関係書類や写真帳、点検報告書、住民説明資料などを外部に出すとき、氏名や住所、電話番号、顔写真、車両ナンバーなどを隠す必要があります。
これが1、2ページならまだしも、案件が大きくなると枚数は一気に増えます。しかも、見落としは許されず、文字だけでなく、写真の中に写った顔やナンバープレート、押印まで気を配る必要があります。
こうした地味で、神経を使う仕事こそ、なんとか自動化できないかと、お困りの方に朗報です。
川田テクノシステム(本社:東京都千代田区。以下、KTS)がこのほどリリースした「KTSアルカナ」というサービスは、PDFファイルをアップロードするだけで、
ナ、ナ、ナ、ナント、
AIが個人情報を墨消し
してくれるのです。(KTSアルカナの製品サイトはこちら)
墨消しの対象は、氏名、住所、電話番号などの文字情報のほか、顔写真、車両ナンバープレート、そして印鑑までです。
AIはこれら検出し、まずは薄赤い枠で墨消し位置を表示します。この段階で、墨消しの範囲を変更・追加することもできます。その後、墨消しまで行ったPDFを作成します。これらのデータはどちらもダウンロードできるので、どこを墨消ししたのかが記録に残せます。
面白いのは、単なる文字列検索ではないところです。例えば「中野駅」は地名として扱い、「中野さん」は個人名として判別するという、文脈を考慮した検出が可能です。
建設関係の資料は、こうした固有名詞が混在するのが当たり前ですから、なかなか気の利いた機能ですね。
「KTSアルカナ」は、製品前に建設・インフラ分野のユーザーを中心に試供版を提供し、多くのユーザーの声をもとに機能と精度を強化し、製品版の販売にこぎ着けました。
もう一つの注目点は、複数のPDFを
まとめて処理
できることです。
そのため、担当者が1ファイルずつ張り付いて作業する必要がなく、処理中に別の仕事を進められます。ここのオートメーション化がバックオフィスの生産性向上に効いてきそうですね。
今後、建設・インフラ分野で使い込まれていけば、現場写真や帳票、点検資料などへの対応力もさらに磨かれていくでしょう。
KTSはこれまでCADソフトの「V-nasシリーズ」や、公共事業の電子納品システム「電納ヘルパー」など、土木分野向けのソフトで知られていますが、今後はAIにも注力し、医療機関や教育機関、一般企業への展開も見込んでいるとのことです。
気になるお値段ですが、税込み9万9000円で3000ページ単位で契約が可能です。1ファイル当たりのアップロード制限は3000ページまたは2GBです。
単純計算すると1ページ当たり約33円となり、人が慎重に1ページずつ墨消ししていく手間を考えると十分にペイする水準と言えそうですね。
現在、同社では50ページまで処理できる試供版を無料提供しています。ご興味のある方は同社の「申し込みフォーム」にどうぞ。




















