管理人のイエイリです。
電力消費の無駄をなくし、ピーク電力を下げるため、ビルではBEMS(ビル用エネルギー管理システム)、住宅ではHEMS(住宅用エネルギー管理システム)の導入が増えています。
さらに地域のエネルギーを管理するCEMSや、マンション用のMEMSなど、「EMS」の導入は様々な分野で急拡大しています。
このほど、ファスナーを製造するYKK黒部工場のファスニング事業金属材料製造部では、
ナ、ナ、ナ、ナント、
FEMSを導入
したのです。
FEMSとは構造解析などで使われる有限要素法(FEM)ではなく、「工場用エネルギー管理システム(Factory Energy Management System)」のことです。YKKと富士通が共同で開発しました。
溶解炉などの生産設備機械には、電力センサーが設置してあり、1分ごとに消費電力のデータをリアルタイムに収集し、見える化を行います。そのデータを生産条件と対比、解析することで、最適な生産状況「ベストプラクティス」を特定し、再現することを目指します。
その結果、エネルギー消費量の削減だけでなく、ファスナー製造工程での生産品質や生産性向上にもつなげるとのことです。
YKK黒部工場が導入したFEMSのシステムイメージ図(資料:富士通) |
第一段階として、国内ファスナー製造工程のうち約25%(原油換算値)のエネルギー量を占める金属材料製造部で今年4月から本稼働を開始しました。
YKKでは、2012年度までに、国内事業所におけるCO2排出量を
1990年度比23%削減
を目標に掲げています。
今後、YKKではこのシステムをYKKグループの他事業や、ファスニング事業の海外拠点に展開する予定で、このプロジェクトで蓄積したノウハウを、グループ全体のエネルギーや電力、CO2排出量の削減につなげていく予定です。
FEMSの導入で、省エネだけでなく、品質や生産性向上にもつなげていくというのは新しい発想ですね。建設業ではBEMSによる知的生産性のアップ、HEMSによる安全・安心・快適性の向上といったところでしょうか。YKKのFEMSへの取り組み方は、参考になりそうですね。