管理人のイエイリです。
埼玉県八潮市で、2025年1月に発生した道路陥没事故のように、全国で老朽化が進む道路では、突如として発生する陥没事故が社会問題となっています。
自治体は膨大な道路や下水道を維持管理していますが、予算や人員には限りがあります。そのため、目視や地中レーダーによる点検では、すべての道路を網羅的に調べることは現実的ではありません。
しかも、地中で進行する空洞は地表から見えにくく、発見が遅れるリスクもあります。
こうした道路管理者のお困りごとを解決しようと、NTT(本社:東京都千代田区)は、世界初となる画期的な道路陥没監視方式の実証に成功しました。
その方法とは、
ナ、ナ、ナ、ナント、
人工衛星の電波だけ
で道路陥没の予兆をキャッチする技術なのです。(NTTのプレスリリースはこちら)
この技術は人工衛星に搭載されたレーダーから地表に向けて電波を照射し、反射して戻ってくる電波を解析・画像化する「合成開口レーダー(SAR)衛星」を使ったものです。
SAR衛星は夜間や悪天候でも観測できる特長を持ち、電波の揺れ方向(偏波)や散乱の強さを解析することで、道路陥没の各段階となる(1)地中空洞の形成→(2)地盤の乱れ→(3)地表面の微妙な凹凸発生を捉えることができます。
これにより、衛星データだけで陥没リスク箇所を抽出し、定期的な衛星観測で変化をモニタリングできるようになりました。
NTTはこの手法で得られた結果を、実際の道路点検データと突き合わせることにより、衛星データだけで空洞箇所を検出できることを確認しました。
従来の車載型地中レーダーによる探査を、この技術で代替すれば、
点検コストを約85%削減
できる見込みです。
これにより、限られた予算でも広範囲の道路を効率的に点検でき、人的負担の軽減や見逃し防止につながります。
一方、NTTは地中深部の空洞を常時モニタリングする光ファイバー技術の研究も進めています。
両者を組み合わせることで、宇宙と地中の両方向から道路陥没を早期に発見できる態勢が構築できそうです。
NTTは今後、自治体や事業会社と連携して実証実験を進め、より高い信頼性を確立するとしています。「現地に行かずにリスクを察知する」インフラ維持管理技術は、人手不足やインフラの老朽化が進む時代に不可欠と言えるでしょう。




















