管理人のイエイリです。
最近、ビデオカメラの小型化や携帯電話での動画撮影機能が進化し、インターネットで個人が撮った動画を手軽に公開できるようになりました。そのため、動画による情報共有がとても身近になってきました。
3月11日に発生した東日本大震災では、地震や津波の発生時に各地で撮影された動画がYouTubeで公開されています。
当初、公開をためらっていた撮影者が、その後、人々の参考になるのであればと、公開に踏み切った動画もあります。
その1つが、大船渡の港を襲った津波の動画です。津波警報の放送が鳴り響きながらも、初めは落ち着いていた港が、
ナ、ナ、ナ、ナント、
わずか8分間で海に沈む
までの様子がノンストップで記録されているのです。
海面がだんだん高くなり、岸壁にあふれ始めた後は、海面は上昇の一途をたどります。そして港に係留してあったクレーン船が流され始め、さらに防波堤を越えた海水は撮影者が避難している高台の真下にある道路にも流れ始めます。
その後は自動販売機や家屋が道路を流れてゆき、ついさっきまで町だったところが海面になってしまいます。
津波は大きな波が一気に町を襲うのではなく、静から動へと徐々に変化しながら破壊力を発揮するものであることが、この動画を見ることでよく分かりました。
「東日本大震災からこうして避難・そして大津波」と題して公開された動画(撮影者:齊藤賢治さん)
撮影者は、三陸の銘菓「かもめの玉子」でおなじみのさいとう製菓の専務取締役を務める齊藤賢治さんです。本人は撮影時に声を出した記憶はないそうですが、ところどころに「止めてくれ-」という悲痛な声が記録されています。
その次に印象に残ったのが、浦安で地盤が液状化した瞬間をとらえた動画です。よく見ると、歩道のブロック舗装の目地を境に、
地盤が交互に動いている
のがよく分かります。
そのうち、歩道のあちこちから泥水が吹き上がり始めます。撮影者は泥水から逃げながらも、現場の状況を克明にとらえていました。
「2011.03.11 earthquake urayasu chiba Japan 東北地方太平洋沖地震」と題して公開された動画(撮影者:blackcat123ciaoさん)
以前から液状化を目撃した人が「泥水が吹き上がってきた」と言うのを聞いて、いったい、どんな様子だったのか想像がつきませんでしたが、この動画をみるとよく理解できました。
東日本大震災では福島第一原子力発電所の大きな事故も引き起こし、日ごろ、話題にものぼらなかった放射線量が気になる人も増えています。放射線量を測るためのガイガーカウンターは品薄で、なかなか入手できません。
そこで、ロシア製のガイガー管などを利用してガイガーカウンターを自作する人も出てきました。下の写真はその一例で、ベータ線とガンマ線を検出することができるそうです。放射線を検出するたびに「ジッ、ジッ」という音とともにLEDが点滅し、放射線量がマイクロシーベルト/時単位で表示されます。試しに自宅周辺の放射線量を測ってみると0.07マイクロシーベルト/時くらいでした。
ロシア製のガイガー管を使用して自作したガイガーカウンター(写真:家入龍太) |
抵抗やガイガー管などの部品がむき出しで、いかにも実験用といった感じです。プリント基板のエッチングや穴開け、ハンダ付けなどすべて手作業なので手間ひまがかかっています。また、9Vの006P電池で動きますが、ガイガー管には400Vくらいの電圧がかかっているそうですので、取り扱いには注意が必要です。希望者には数量限定で作ってくれるそうですよ。