管理人のイエイリです。
住宅メーカー各社は、太陽光発電(PV)やHEMS(住宅用エネルギー管理システム)によって、住宅が1年間に使用する一次エネルギーの消費量がゼロ以下になる「ネット・ゼロエネルギーハウス(ZEH)」を売り出しています。
カタログなどでは標準的な家族構成や空調、照明などの使用率をもとにエネルギー収支を推計していますが、実際に建てられ、使用されている住宅はどうなのかが気になりますね。
そこで積水化学工業 住宅カンパニーは、同社が2013年1月~12月に入居した同社の「セキスイハイム」ユーザーのうち、PVとHEMSが搭載されている住宅のうち3545戸を対象に、2014年の消費電力量、発電電力量、電力量収支について調査しました。
その結果、家電の電力を除いた建築設備(空調、照明、給湯、換気)の電力では、
ナ、ナ、ナ、ナント、
ZEH達成率が66%に
なったことが明らかになったのです。うち、テレビや洗濯機などの家電を含めてもZEHになった住宅は17%でした。
ZEH達成率は、2011年は25%でしたので、その3倍近い結果となりました。日本のゼロエネルギーハウスの実力は、実績でも現れてきましたね。
その成果は、年間の光熱費収支にも現れており、PV搭載住宅の中央値の光熱費収支はプラス1万7127円、ZEH達成住宅ではプラス4万8597円、うち家電込みでZEHを達成した住宅ではプラス11万4578円となりました。
また、ZEHを達成した住宅は小家族ほど高く、「夫婦のみ」で81%、「夫婦+子ども」で68%、子ども夫婦+親夫婦で51%となりました。
寒冷地では、冬場の日照時間が短く消費電力が多いため、ZEHに不利な条件と言われていますが、今回の調査では
島根、福井、秋田、石川
の各県で初めてZEHを達成し、家電込みでも鳥取や新潟などで新たにZEHを達成しました。
ちなみに、今回の調査はコミュニケーション型のHEMSである「スマートハイム・ナビ」のサーバーのデータを使って行われました。
積水化学工業では2012年に大容量PVとリチウムイオン蓄電池、HEMSを標準搭載した「進・スマートハイム」、2013年に標準的な規模の建物でも家電込みでZEHを達成できる「スマートパワーステーション」シリーズを発売し、2014年には電気自動車と連携した「V to Heim」シリーズを投入しています。
今年はスマートパワーステーションの入居者データが加わるため、来年発表の調査結果は、さらにZEH達成率が高まる見込みだそうですよ。