管理人のイエイリです。
BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)で設計していると、ソフトによってモデリングしにくい部材があります。
リビングCGは、ArchiCADが苦手としているモデリングや積算、画像処理などの機能を補完するArchiCAD用のアドオンツール「ArchiSuite」を発売しています。ArchiCAD同様に、Windows版とMac版があります。
リビングCG代表取締役の関良平さん(左)。オフィスは東京・青山のカナダ大使館のビルに入居している(右)(写真:家入龍太) |
いったい、どんなことができるのかを代表取締役の関良平さんに聞いてみたところ、
ナ、ナ、ナ、ナント、
点群表示や道路の作成
までできるというからビックリ。
国土地理院の「基盤地図情報」の2500分の1の白地図を貼り付けて道路や建物を作成できるほか、等高線を表示したり、等高線に合わせて水面を作ったりすることも可能です。
ArchiSuiteの機能を使ってモデリングしたガードレール(左)や擁壁(右)(資料:リビングCG。以下同じ) |
宅地造成された住宅地。階段やプール脇の手すりなどにも注目 |
神奈川県藤沢市江ノ島のモデル |
点群データの表示。ポリゴン表示や解像度の調整も可能だ |
以下、どんな機能があるのか、代表的なものをご紹介しましょう。
ArchiCADユーザーにとっての悩みは、階段や手すりのモデリングです。イレギュラーな形の階段はやむを得ずステップを「スラブ」でモデリングしたり、階段以外に手すりがつけられなかったりします。
そこでArchiSuiteを使うと「塗りつぶし図形」を下書きにして階段を立ち上げたり、オブジェクト上に2Dポリラインを引けばその上に手すりをつけたりといった自由なモデリングができます。手すりの親柱も任意な形状を積み上げて様々な形が作れます。
RC壁の上に手すりをつけた例(左)。バルコニー上につけた手すり(右) |
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手すり親柱の自由な配置(左)。塗りつぶし図形から階段を立ち上げた例(右) | |
東京・御茶の水「ソラシティ」の屋外階段をモデリングした例 |
細かい機能としては、ArchiCAD上で写真をシームレス画像に変換してテクスチャーを作ったり、1つのオブジェクトの中でテクスチャーを部分的に張り替えたりといったこともできます。
ArchiCAD上でテクスチャー用のシームレス画像を作れる |
テクスチャーの部分的な張り替えや偏心した柱の作成 |
極めつけは積算機能です。ArchiCAD上の部材を要素別に分けて数量積算したり、
独自の計算式を作成
独自の計算式を作成したりといった細かい設定ができるのです。本格的な積算ソフトとも比較されることが多いそうです。
積算機能も充実 |
まだ、このほかにも天井床システムパネルやランダムなタイル、2Dビルボードの作成など、デザインツールがてんこ盛りです。
ちなみに価格はArchiSuite16が14万5000円(税別)とリーズナブルです。ArchiCADユーザーの方は1本持っておくと、仕事が楽になりそうですよ。