足場材や仮設材など重量物を気軽にネット売買したい―――こんな現場のニーズに応えて開発されたのが、足場材フリマの「LLINK」だ。売買が成立するとLLINKが、品物の大きさや重量に応じた最適な運送サービスを選び、手配してくれる。面倒だが重要な品物の引き渡し方法や運送コストに悩む必要はない。どんな品物を売買できるのか、見てみよう。
運送サービス付きで重量物をネット売買
「余った移動式足場をどこかの現場で買ってくれないか」「仮囲いの鋼板がもっと必要になったから少しだけ買いたい」―――こんなとき、頼りになるのがネットオークションなどのフリーマーケットサイトだ。
しかし、仮設材などはかさばり、重量もあるので通常の宅配便では送れないものも多い。せっかくほしいものが見つかっても、どの運送会社に頼んだらよいのかと、頭を抱えてしまう。
こうした現場関係者のお困りごとに応えてくれるのが、足場材フリマの「LLINK(リンク)」(https://llink.asia/)だ。ウェブ以外にもiPhoneやiPadなどのiOSと、Androidの両アプリにも対応している。
その特長は、当事者間で売買が成立したら、LLINKが独自のノウハウと運送会社ネットワークを生かして、品物の大きさや重量に最適な運送サービスを自動的に手配してくれることだ。
そのため、出品者・購入者は、都合のよい受渡日時をサイト上で調整するだけで、集荷・配送を待つだけでよい。仮設材のような重量物を、クリック一つで手軽に売買できるのが、これまでになかった現場向けのサービスなのだ。
足場からシート類まで現場用品の数々が出品
LLINKには、現場の足場や仮設に使うものすべてが出品されていると言っても過言ではない。
例えば足場関係では、くさび式足場や枠組み足場、次世代足場の主要部材のほか、クランプやブラケットなどがある。
ある出品例では、人気の中古くさび足場Aタイプの支柱がA-09、A-18、A-27、ブラケットはB-40、BH-25など、そして手すりは600(C-06)~1800(C-18)までと、サイズ別に出品されていた。踏板や筋交い、固定ジャッキ、アンダーベースなども同様だ。
現場で大量に余ったのだろうか、中古品に交じって新品の出品も目立つ。例えばある日の出品物では、角パイプと丸パイプを緊結する「角丸クランプ直交」や自在クランプ、単管足場用の継ぎ手金具「ボンジョイント」などの新品が見られた。
足場を覆うメッシュシートや防音シートは、未使用の「新古品」が中心だ。このほか落下防止用の「養生金網」や足場の下に敷く敷角、土留め用の丸太、さらには移動式足場まで、様々な出品物がそろっている。
最適な配送サービスをLLINKが手配
一般のフリマでは、出品者や数量や品物をセットにして一括で売られていることが一般的だ。LLINKでも、ブラケット金具など小さなものは1000個セットなどで出品されている。これを「セット購入」という。
一方、LLINKの出品物の中には、在庫数量を示したうえで必要な個数だけ買えるものもある。これは「セレクト購入」という販売方法だ。不足しているものを必要な数だけ買うことができる。
購入手続きは、必要なセット数や個数をLLINKの注文フォームに記入するだけ。すると商品代金と重量が即座に画面表示される。在庫数が足りない場合は、不足分を取り寄せることもできる。一般のネット通販と全く同じ気軽さでショッピングが行えるのだ。
現場の足場や仮設に必要な様々な部材を、中古や新古品としてネットで割安に買えるのはありがたい。しかしサイズや重量が大きいだけに、一般の宅配便では送れないものも多い。
こんなユーザーの悩みに応えて、LLINKでは、品物の大きさと重量を考慮して最適な輸送サービスを選択し、手配するサービスを行っている。売買が成立すると、出品者と購入者のスケジュールを調整のうえ、最もコスパの優れた運送方法と運送会社を手配してくれる。
多忙な施工管理業務のなか、品物の運搬や引き渡しといった雑用のために、あれこれと悩む必要はない。品物の引き取りや配送を待つだけだ。
「小さな金具類は宅配便を使いますが、それより大きなものは特殊サイズ用の混載便、さらには4トントラックをチャーターしたり、積み下ろし設備がない現場にはユニック車で配送したりしています。ご要望があれば、海外向けにコンテナでの輸出も可能です」と、エルライン執行役員の尾形友樹氏は説明する。
こうしたことができるのも、LLINKを運営しているエルライン(本社:東京都品川区)自身がとび・足場工事の専門工事業であるからだ。
2008年に横浜市鶴見区で創業した同社は、自社で足場材を購入、現場への輸送、組み立てを行う実務を行っている。また、自社でも足場材などを買い取り・販売する「足場JAPAN」という事業を展開している。
こうした実務を通じて構築した運送サービスの選択ノウハウや、運送会社とのネットワークを、LLINK事業にもフル活用している。
売り手、買い手の双方が安心の決済方法
最近、工事現場からの建機や資材などの盗難事件が報じられることが多くなった。また、ネット取引だと、代金を支払ったものの、品物が届かない、約束していたものと違うといったトラブルも耳にする。逆に売り手側も、品物を発送したが、代金が振り込まれないという心配もあるだろう。
こうした現場ユーザーの心配に対し、尾形氏は「買い手側の購入代金は一度、LLINKに支払ってもらい、品物が届いたことを確認してから、売り手側に振り込む仕組みになっているので、売り手、買い手ともに安心です」と説明する。
「売り手は運転免許証などで個人情報を確認し、登録してもらいます。そのため匿名の売り手が盗品などを売るようなことはできません。万一、盗品だった場合は掲載を中止し、当該アカウントを停止します。また、買い手が受け取った品物に不満があった場合は返品もできます。もっとも、これまでにそんなトラブルは一度もありませんでしたが」(尾形氏)。
LLINKでは購入するだけでなく、個人も売り手になって余った部材などを手軽に売ることもできる。出品に当たっては、スマホで品物の外観や品質などがわかる写真を数点撮影し、縦横高さの寸法と重量、そして価格をサイト上のフォームに入力するだけなので、スマホだけで完結できる。
ちなみに、売り手側にかかるLLINKの販売手数料は、商品代金の10%。出品手数料は無料だ。代金はおよそ10日ごとのタイミングで振り込まれるので、スピーディーに現金化できる。また買い手側には商品代金のほか配送費が実費としてかかる(※)。
LLINKを使って、必要な資材を必要なだけ入手し、不要なものはどんどん売却するスリムな現場運営にチャレンジしてみてはいかがだろうか。
(※)出品方法、手数料などの詳細は「LLINKガイド」(https://guide.llink.asia/)を参照
【問い合わせ】 株式会社エルライン |