先人のノウハウを盗め!安井建築のBIMテンプレートが大人気
2012年1月27日

管理人のイエイリです。

BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)は、“取っつきやすく、奥が深い”設計手法と言えるでしょう。建物の外観や間取りなどの簡単なモデリングだけなら3日くらいでできるようになる半面、建物のモデルから図面を作れるようになるにはかなりのノウハウや準備が必要だからです。

これまでBIMを導入した建築設計事務所や建設会社は、BIMで図面や建具表などの設計図書を作成できるようになるまでに、各社それぞれが時間とコストをかけて、地道な努力を続けてきました。

こんな話を聞くと、これからBIMを始めようと思う会社の人にとっては、気が重くなりそうですね。しかし、ありがたいことに、“BIMの先人”のノウハウを買ってしまうこともできる時代になったのです。

ここ数年、組織的に全社でのBIM活用に取り組んできた安井建築設計事務所は、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

自社のBIMテンプレート

 

を製品化し、2012年1月17日にGSAから発売したのです。販売は大塚商会が担当します。

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安井建築設計事務所が開発した「意匠設計用BIMテンプレート」(写真:家入龍太)

オートデスクの意匠設計用BIMソフト「Revit Architecture2011」で作った建物のBIMモデルから、図面の作成に必要な図面表示や各種設定をプリセットしたもので、製品名は「意匠設計用BIMテンプレート Revit Architecture 2011版」というものです。

これを使うと安井建築設計事務所が日ごろ、業務で作成しているのと同じクオリティーで平面図、立面図、断面図のほか建具表、仕上げ表、開口部リストなどを作れます。

このほか、同社が独自に開発した「ファミリ」と呼ばれる3次元CAD部品約1000点を集めたライブラリや、テンプレート設定の仕様や入力手順を記載した各種手順書、ビル1棟のBIMモデルなど、実務に役立つデータやノウハウが満載です。

これらのテンプレートなどは、官公庁の設計業務でも使われ、その成果品が納品されたという実績もあります。BIMを導入したばかりの会社にとっては、まさに“BIMのお手本”になる情報です。

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付属のBIMモデル(以下の資料:安井建築設計事務所)

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テンプレートで作成した図面(左)と集計表(右)
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ファミリが分かりやすく整理されたライブラリ(左)と設定された属性の解説書(左)

1月25日、この製品の発売を記念して、東京・飯田橋の大塚商会本社で「BIM普及のための社内標準化の取り組み」というセミナーが開催されました。

会場は

 

約130人の参加者で超満員

 

となり、安井建築設計事務所の中元三郎さん、道勇直記さんの説明に熱心に耳を傾けていました。

参加者の姿勢には、BIM活用のノウハウの結晶とも言える「BIMテンプレート」への関心の高さが表れているようでした。

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「BIM普及のための社内標準化の取り組み」のセミナー会場は、約130人の参加者で超満員(写真:家入龍太)

このテンプレートの気になるお値段ですが、オープン価格となっています。関係者の話によると、実勢価格は40万円台の前半とのこと。導入本数によっては数量ディスカウントや、社内で使い放題のサイトライセンス的な扱いもあるようです。

このテンプレートを基にして“先人のノウハウを盗む”ことで、相当な時間短縮が図れそうですね。今後も同様な製品がどんどん発売されることを期待します。

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