一貫構造計算にもBIMの波が!SS3とRevit Structureがデータ連携
2012年4月5日

管理人のイエイリです。

BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)は、意匠設計から設備・構造設計へと普及しつつありますが、構造計算の業務はまだまだBIMとは独立して動いていることが多いのではないでしょうか。

しかし、構造計算の業務にも「BIMの足音」はひたひたと迫っています。昨日(4/4)、オートデスクは同社の構造設計用BIMソフト「Revit Structure 2012」と、ユニオンシステムの一貫構造計算ソフト「Super Build/SS3」が、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

双方向でデータ連携

 

できる機能を開発したと発表したのです。

データ交換は、両ソフトから建物形状や柱・梁部材の定義、配置情報を「CSVファイル」に書き出し、それを他方のソフトが読み込むという方法で行います。

Super Build/SS3には、もともとCVS形式でデータを書き出す機能が付いていました。そこで、Revit Structure側に「Super Build SS3 Data link for Autodesk Revit Structure 2012」というアドオンソフトを追加することで、両ソフト間でのデータ交換が可能になったのです。

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CSV形式による「Revit Structure 2012」と「Super Build/SS3」のデータ連携イメージ(資料:オートデスク)

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データ連携に使うCSVファイルの例(資料:オートデスク)

日本では、建築物の構造計算に「一貫構造計算ソフト」を使うのが一般的です。中でも、「Super Build/SS3」は業界で最も普及しており、建物の3D表示機能のほか、柱や梁の構造躯体や鉄筋情報の参照機能などを備えています。

さらに、構造計算の過程を確認できるように結果をはじき出すまでのプロセスも出力できるようになっています。

今回、CSV形式によるデータ連携機能が開発されたことで、Super Build/SS3で設計した構造部材の3次元モデルを、属性情報付きでAutodesk Revit Structure 2012に取り込めるようになり、構造設計結果をBIMモデル化する作業が大幅に短縮できるようになりました。

逆に、Revit Structureで設計したデータをでの入力業務の効率化や、設計時間の短縮が可能になりました。さらに、逆にRevit StructureのデータをSuper Build/SS3に取り込んで構造計算を行うことも可能です。

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Super Build/SS3の画面(資料:ユニオンシステム)

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Super Build/SS3から書き出したCSVファイルを読み込んで、Revit Structure 2012で表示したところ。属性情報もちゃんと伝達されている(資料:オートデスク)
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Revit Structure 2012上で断面リストを表示する機能も開発された(資料:オートデスク)

今回のツールでは、柱、大梁、基礎梁だけをデータ交換の対象にしていますが、今後のバージョンアップでは小梁、床、壁、開口、ブレースの全体をデータ交換できる機能を開発する予定です。

BIMソフト間でのデータ交換と言えば、

 

IFC形式

 

を使うことが一般的ですが、日本の一貫構造計算ソフトで使われるデータをIFCで表現するのは難しい面があり、細かいデータも漏れなく交換するために今回はCSV形式を採用したとのことです。

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がっちりと握手するユニオンシステム開発部部長の奥平裕信さん(左)とオートデスクAEC事業部テクニカルスペシャリスト マネージャの近藤伸一さん(写真:家入龍太)

今回の連携で、いよいよ構造計算の業務がBIMのワークフローに組み入れられるようになるかもしれませんね。

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