iPadで施工に活用!BIMアワード授賞式でARが大人気
2012年5月17日

管理人のイエイリです。

5月17日~19日、アメリカ建築家協会(AIA)の全米大会が米国ワシントンDCのコンベンションセンターで開かれます。

これに先立ち、16日の夕方、AIAのTAP委員会が主催する第8回BIMアワードの授賞式が行われました。会場には約100人の関係者が集まり、まずはドリンクを片手にパーティータイム。知り合いを見つけては談笑する姿があちこちで見られました。

そして雰囲気が高まったころ、授賞式がスタートしました。

 20120517-image1.jpg   20120517-image11.jpg

AIA全米大会が開かれるワシントンDCのコンベンションセンター(左)。授賞式前のパーティータイム(右)(写真:家入龍太。以下、同じ)

 20120517-image3.jpg
BIMアワードの表彰式に集まった人々

最優秀賞に輝いたのは、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

ルイ・ヴィトンのビル

 

だったのです。

ゲーリー・パートナーズ(Gehry Partners)などが手がけたこの建物は、プロジェクトのあらゆるフェーズで、BIMを高度に統合し、活用したことが評価されました。

 20120517-image5.jpg  20120517-image4.jpg

最優秀賞に輝いたルイ・ヴィトンのビル建設プロジェクト(左)と受賞者を囲むTAPメンバー(右)

今回、評価の視点となったのはBIM活用の「全体的な優秀さ」のほか、「建設生産プロセスの革新」、「環境面での活用」、「教育プログラムやカリキュラム開発」、そして「小企業での活用」の5部門で、11のプロジェクトが受賞しました。残念ながら「環境面での活用」は、該当プロジェクトがありませんでした。

BIM先進国のアメリカだけあって、ユニークなBIM活用があちこちの建設プロジェクトで行われていることがうかがわれました。

例えば、橋梁の一括架設工法のように、あらかじめプレハブで作っておいた屋根をクレーンで一気にかけたり、工事現場にiPadを持ち込み、AR(拡張現実感)を使ってこれから作る階段のイメージを確認したりといった事例です。

 20120517-image7.jpg

プレハブ化した屋根を一括仮設した 「Barracks「warrior in Transition」のプロジェクト

 20120517-image6.jpg
ARを工事現場に持ち込み、設置する階段のイメージを確認した「Institute for System Biology」のプロジェクト

この工事現場でのAR活用例には、会場の注目を集めました。

これを見越したかのように、授賞式の後、TAPメンバーのピート・エバンスさんはiPadを片手にプレゼンを始めました。スクリーン前の床には、

  

巨大なターゲット

 

を置き、iPadの画面上にBIMで設計した建物が表彰式会場の床に建っている様子をARでデモンストレーションしたのです。

その後、再びパーティータイムになったときにも、このiPadは大人気で見学者が絶えませんでした。

  20120517-image8.jpg

スクリーン前に置いたターゲットとiPadを使い、ARのデモを行うピート・エバンスさん

 20120517-image9.jpg  20120517-image10.jpg
床上に建ったビルを指先でくるくると回しているところ。模型の代わりとして使える。ズームすると室内にも入って行ける

ちなみに、iPadで使っていたアプリはInglobe Technologies社の「AR-media」というものです。SketchUpやVectorworks、3ds Maxなどにそれぞれ対応したプラグインソフトをインストールしてによってAR用データを作り、それをiOSやパソコン、Mac用のプレーヤーで見る仕組みです。プラグインソフトは各249ユーロ、プレーヤーは無料です。

「大がかりな装置は必要なく、手軽に使える」とピートさんは強調していました。すでに日本のBIMユーザーの間でもARが使われ始めていますが、iPadを使うことで現場でも活用できそうですね。一度、試してみてはいかがでしょうか。

(Visited 1 times, 1 visits today)

Translate »