救難信号も発信!プロの建築士が開発した津波シェルター
2012年6月21日

管理人のイエイリです。

東日本大震災での巨大津波の被害を受けて、沿岸部に津波避難ビルなど、いざというときに駆け込める避難所の設置について関心が高まっています。

従来の津波避難ビルは、到来する津波高よりも高い建物やタワーを建設し、そこに逃げ込むというものですが、ワールドネットインターナショナル(東京都港区)は、違った考え方の津波用シェルター「スーパーバリア」を提案しています。

その正体とは、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

海に浮かぶ家

 

なのです。

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32面体タイプのスーバーバリア(写真・資料:ワールドネットインターナショナル。以下同じ)

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32面体タイプの内部
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13面体タイプのスーバーバリア

4~6人用の「スーパーバリアS4」(税抜き198万円、重量500kg)というタイプは、サッカーボールのような32面体をしており、上部が厚さ3.2mm、下部が厚さ4.5mmの鉄板製です。

津波が来たときにここに逃げ込んでハッチを閉めると、そのまま浮かぶようになっています。衝撃に強く、重心が低いために水に浮いたときも安定しています。

空気弁を密閉しても5人の場合、約3時間は酸素欠乏の心配はありません。本体が安定した後に、空気口を空けてフレッシュな空気を取り入れることができます。

オプションで5点式シートベルトや脚部にショックアブソーバーを付けて耐震・免震化を図ることも可能です。

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5点式シートベルトを装着した例(右)とショックアブソーバーによる免震化(右)

また、7~9人用の「スーパーバリアS7」(税抜き248万円、重量1000kg)は、厚さ4.5mmの鉄板でできており、13面体になっています。内部には柔らかいウレタンを張り、衝撃時にもけがをしないようになっています。13面体タイプにさらに大型の「スーパーバリアS15」(税抜き380万円、重量2000kg)もあり、15~18人を収容することが可能です。

この津波ハウスは、プロの建築士が「鉄が浮かぶ」をテーマに24年間研究した結果、実現したものです。これまで、香港やドバイの企業、イギリスの個人、島根県内の保育園などが導入しています。愛知万博ではゲストルームとして使われた実績もあるそうです。

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愛知万博でゲストルームとして使われたスーパーバリア

スーパーバリアに最近、5点式シートベルトやショックアブソーバーに加えて、もう一つの新しいオプション機能が導入されました。それは、

  

救難信号発信装置

 

です。

津波で海に流されたときも、この装置を使って海上保安庁に救難信号を送ることができるのです。

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救難信号発信装置のイメージ

めったに来ない津波のために、これだけの投資をする必要があるのかと思われる方もいるでしょう。同社では平常時の用途として子供用の遊び場や集会場などとしての使用を提案しています。

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