管理人のイエイリです。
最近、タブレット端末を工事現場の施工管理に導入する会社が増えています。
大成建設は現場最前線の業務を効率化するため、「Field Pad」というiPadやiPhoneで使えるアプリを開発。現場で導入し初めています。
このアプリの開発に携わった大成建設建築部の田辺要平課長に、現場でタブレット端末をどう使うべきかについて直撃しました。
ネット接続やクラウドコンピューティングとの連携、デジタルカメラ、GPS、各種センサーと豊富な機能を持つタブレット端末だけに、さぞかし私が知らないような高度な活用方法がバンバン飛び出してくるに違いないと構えていたところ、その答えは極めてシンプルなものでした。
ナ、ナ、ナ、ナント、
「現場事務所に戻らない」
ことが、最大の効果だ、とおっしゃったのです。
現場でのタブレット端末活用法について語る大成建設建築部の田辺要平氏。手にしているのは9月に発売されるパナソニックの現場用タブレット端末「タフパッド」の試作機(写真:家入龍太) |
「これまで工事現場のIT化で一番効果があったツールは携帯電話でした。電話をかけるために現場事務所に戻らずに済んだことが、業務効率の改善に一番効果があったのです」と田辺さんは、ケータイが現場で爆発的に受け入れられた背景について語ります。
「ケータイは『話す』ということに特化したツールだったので分かりやすかったですが、タブレット端末にはいろいろな機能が付いており、これを使って何を目指すのかを明確にしないと、活用の目的がぶれてしまいます」(田辺氏)。
なるほど、多彩な機能やアプリにとらわれて「何を使おうか」と考えてしまうと、事務所のパソコンの方が効率的な作業を無理やりにタブレット端末でこなそうとして、かえって業務効率が落ちてしまうこともありがちですね。
「以前からあるWindows CEの端末でも、CAD図面をダウンロードして現場で見ることができました。しかし、ダウンロードしていないものは事務所に戻らなければいけなかった。その点、タブレット端末は何も考えずに現場に持って出掛けることができ、必要な図面や資料はその場でダウンロードできるので事務所に戻る手間がありません」(田辺氏)とのこと。
現場事務所に戻らずに様々な図面や資料の参照や記入ができるField Padの画面(資料:大成建設) |
つまり、現場事務所に戻らないようにするために必要なのはタブレット端末の配布やアプリのインストールだけでなく、
クラウドにデータを預ける
ことを、いかに徹底できるかが鍵になるのです。
といっても、クラウド上にデータを預けることに抵抗感がある人は少なくありません。ここでつまずいてしまうと「事務所に戻らない」というタブレット端末最大のメリットが発揮できないことになります。
大成建設では、クラウド上で機密情報がつまった図面や資料などを管理する上での問題点をどのようにクリアし、クラウドを使って業務を進めるルールや社内文化をどう育てているのでしょうか。
その答えを聞きたい方は、9月5日(水)に東京・有明で開催される「攻めるIT経営~タブレット端末で広がるビジネスソリューション」というイベントにお越しください。16時から始まる建設業向けの「トラック3」で、田辺氏に私が直撃インタビューし、大成建設がどのようにクラウドでデータ管理しているか、そして今後、どんな工事現場の業務効率改善を目指しているのかについて、具体的にお聞きします。お楽しみに!(お申し込みは、ココからどうぞ)
9月5日の対談「タブレット活用で変わるこれからの建設現場」の内容(資料:日経BP社) |