反射光害も予測!魚眼レンズ付きiPhoneで太陽光発電をシミュレーション
2012年8月17日

管理人のイエイリです。

せっかく、太陽光発電パネルを取り付けたのに、パネルからの反射光がまぶしいと周囲の住民から苦情があり、撤去したというような話を聞くことがあります。

街中の建物に太陽光パネルを設置するときには、最大の発電効率が得られる場所を選ぶとともに、設置後の反射光がどちらの方向に飛んでいくのかもよく検討しなければいけませんね。

生活産業研究所がこのほど発売した太陽光発電用日射・日影・反射光予測システム「SOLAR魚眼」は、太陽光パネルの設置にまつわるこれらの問題を手軽に解決できるようにしたものです。

周囲の建物と太陽光パネルへの入射光や、反射光の解析を行う測定器として、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

魚眼レンズ付きiPhoneやiPad

 

を使うのが特徴なのです。

使い方は太陽光パネルを設置しようとする場所で、魚眼レンズをつけたiPhoneを真上に向けて写真を撮ります。するとSOLAR魚眼が水平線上に展開した360°パノラマ写真に変換し、各月の太陽光の軌跡を画像上に表示してくれるのです。また日照量のグラフも表示できます。

魚眼レンズでの撮影には、デジタル一眼レフやコンパクトデジカメも使えますが、カメラを真上に向けるために水準器を取り付ける必要があります。その点、iPhoneやiPadには加速度センサーが内蔵されていますので、天頂撮影用のアプリ「LevelShutter」を使えば、真上を向けたときに自動的にシャッターを切ってくれるので便利です。

なお、iPhoneなどに使用する魚眼レンズとして、生活産業研究所では、イザワオプト社製のKSW-4やIDF-3を推奨しています。

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水平線上に展開したパノラマ写真上に各月の太陽光の軌跡を表示したもの。建物に太陽光が遮られる部分は緑色で表示されている(資料:生活産業研究所。以下同じ)

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写真撮影にはデジタイル一眼レフカメラやコンパクトデジカメも使えるが水準器が必要だ。その点、iPhoneやiPadは天頂撮影用のアプリを使って真上に向けた写真を撮れるので便利

SOLAR魚眼のもう一つの機能は、太陽光パネルからの反射光を解析できることです。太陽光パネルの取り付け方位や屋根勾配を入力すると、

 

反射光の軌跡も表示

 

してくれるのです。

反射光の軌跡は黄色い点で表示されます。もし、この点がビルや住宅の窓に当たっていたら、そこの住人から「反射光がまぶしい」などのクレームが来ることが予想されますので、設置角度を調整するなどの対策を検討することになります。

現場にいながら、その場で最適な設置場所や角度が分かるのは、さすがiPhoneやiPadの機動力ですね。

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反射光の軌跡(黄色い点)を表示したところ。左側のビルのカーテンウオールには黄色い点が当たっているので検討が必要かもしれない

なお、SOLAR魚眼の年間使用料は1ライセンス当たり3万7800円です。無料体験版もありますので、魚眼レンズをお持ちの方は試してみてはいかがでしょうか。

また、生活産業研究所ではフリーの3次元デザインソフト「Google SketchUp」上で、太陽光パネルへの日射量や反射光を解析する「Eco Planner Pro」も発売しています。こちらは3Dモデル上で太陽光の解析結果を表示するものです。年間利用料は18万9000円/ライセンスです。

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Eco Planner Proで太陽光パネル上への日照時間を解析し、等高線で表示した例(赤線内)

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