ダンプの動きが見える!奥村組とCTCが震災がれき処理をクラウド化
2012年8月27日

管理人のイエイリです。

東日本大震災で発生した大量のがれきは、現在も各地区で仮置きされています。これらのがれきは、処理ヤードに運搬して、土砂や木材、コンクリートガラ、金属など十数種類に選別・破砕し、所定の処分場に搬出するという手順で処分するのが一般的です。

この作業をスピーディーに行うためには多くの人員のほか、それぞれの処理工程や全体の進ちょく状況などをいかに効率的に管理するかという課題がありました。

そこで、奥村組と伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は「廃棄物統合管理システム」を開発しました。

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

クラウドでダンプの運行

 

から積み荷となる廃棄物の種類、重量(搬出入量)などの情報を一元的に収集・管理できるのです。このたび岩手県山田地区の災害廃棄物処理(選別・破砕・運搬)業務で、運用を始めました。

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「廃棄物統合管理システム」のイメージ図(資料:奥村組、伊藤忠テクノソリューションズ。以下同じ)

この廃棄物統合管理システムは、「移動体資産管理クラウドサービス」と、情報の可視化と共有を目的とした「クラウデージポータル」というCTCの2つのサービスを相互にリンクさせたものです。

ダンプトラックの積み荷の種類や重量、搬出元、受け入れ先などの情報を記録したQRコードを作成し、それを処理ヤードの入退場時にリーダーに読み取らせることによりデータを自動的に収集、種別ごとの処理量を管理しています。

さらに、廃棄物処分の“伝票”も電子マニフェスト化し、QRコードの情報と連携させることで、受け入れ先での処分も確認します。こうして十数種類に選別された廃棄物をそれぞれの受け入れ先へ効率的に搬出できるようになりました。

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稼働中の重量管理システムからの帳票出力例と使用機器など

震災がれきの処理が本格化するとともに、ダンプトラックによる交通渋滞などを緩和させることが求められています。そこでダンプにはGPS機能付きの情報端末を搭載し、走行位置や速度などの情報を収集し、

 

交通状況に応じた運行管理

 

も行っています。

これらの情報は一元管理され、専用ポータルサイトで廃棄物処理の進ちょく状況などをリアルタイムに可視化することで、発注者との情報共有も進んだそうです。

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専用ポータルサイトによる業務進ちょく状況の表示。インターネット上でリアルタイムに確認できる

このシステムのニュースで初めて知ったのは、産業廃棄物のなどの適正処理で使われている「マニフェスト」が電子化されているということでした。通常、7枚つづりの紙の伝票ですが、1998年度にはすでに電子マニフェスト制度が導入されていたのです。

これまではあまり普及していなかったようですが、GPS機能付きの情報端末やQRコード、そして廃棄物処理のクラウド化で電子マニフェストの使い勝手がぐっと向上しそうですね。この廃棄物統合管理システムは、建設業の廃棄物処理が進化するきっかけになるかもしれません。

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