管理人のイエイリです。
自然エネルギーを有効活用する手段として、風力発電に対する注目がますます高まっています。さらに7月1日に施行された「再生可能エネルギー固定価格買い取り制度」により、風力発電事業者への融資や投資をする銀行やリース会社も増加しています。
日本海沿岸の風力発電所。記事とは関係ありません(写真:家入龍太) |
こうした背景の中、伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は、風力発電の本場、ドイツ風力エネルギー研究所(DEWI)と協業して、風力発電機の検査診断と、
稼働率向上の支援サービス
を開始することになりました。
CTCでは気象庁の数値予報データ(GPV)などを用いてエリア内の風力発電出力を予測するSaaSサービスや、風力・太陽発電事業を設計から運用まで支援するサービス、地域のエネルギー管理の計画から運用・評価までを支援するクラウドサービス「E-PLSM」などの自然エネルギー関連のサービスを提供しています。
今回の新サービスはこれらを拡大するもので、風力発電機の機器検査診断結果をもとに、将来的な運転や稼働率向上のための改善策の提案、保守管理費用の推定などの風車稼働率向上支援サービスをワンストップで提供するものです。
風力発電所検査の状況。損傷した機械装置(左)と電気装置(右)の例(写真:CTC) |
このサービスには、
ナ、ナ、ナ、ナント、
風車の資産査定
まで含まれているのです。
確かに、風力発電所は電気を作ってナンボの世界ですから、投資する側からすると、現在から将来にわたってどれくらいの電力を生み出すのかは重要ですね。
一見、同じように見える風力発電所ですが、これからは立地や発電実績に応じて、取引価格に大きな差が生まれることが予想されます。また、風力発電所の視点での“地価”も出てくるかもしれませんね。
今回、協業するドイツ風力エネルギー研究所は、ドイツのニーザーザクセン州政府により1990年に設立されました。風力エネルギー分野の基礎研究や計測技術についてのノウハウを持っています。2012年6月に米国の製品安全試験・認証機関であるUL Inc.に買収されました。
CTCはこれらのサービスにより、風力発電事業の立ち上げから運用、保守までを、総合的に支援し、今後3年間で5億円の売り上げを目指すとのことです。