重機周辺に磁界バリア!作業員の接近を即座に検知
2012年12月7日

管理人のイエイリです。

バックホーやホイールローダーなど重機周辺に作業員が接近したとき、重機オペレーターが気づかないと事故の原因になります。

そこで、超音波や電波を使う送受信機をオペレーターや作業員に系タイさせる警報システムが開発されてきました。

ただ、この方式の難点は、超音波や電波の乱反射によって、重機から離れた場所にいる作業員の信号も拾ってしまうことでした。またトンネルなど狭い場所では受信機と作業員の間に他の重機が入った場合に不検知となることもありました。

そこで、鹿島はこうした問題を解決した新しい警報システム「アラウンドウォッチャー(Around Watcher)」を開発しました。

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

重機周辺に“磁界バリア”

 

を張り巡らし、作業員がバリア内に入ったときは作業員の身につけたICタグが電波を発信し、その存在を知らせるという先進的なものなのです。

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アラウンドウォッチャーの概念図(写真・資料:鹿島。以下同じ)

磁界バリアは重機周辺にしかありませんので、離れた場所のICタグは電波を発信しません。また、重機には魚眼カメラが搭載され、運転席のモニターで周辺の状況が見られますので、作業員がどこにいるのかが一目で分かります。

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重機に搭載された機器(上段)と作業員が携帯するICタグ(下段)

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運転席のモニター画面に映った魚眼カメラの映像例

では、複数の重機が稼働している場合、他の重機の磁界バリアに入った作業員のICタグ電波を拾ってしまうのではという疑問も当然わいて来ますね。

この問題についての対策も採られているのです。それぞれの重機が発生する磁界バリアには、

  

磁界番号

 

が付いており、ICタグからは磁界番号とタグIDの2つの情報を発信するようになっています。

そのため、各重機は自機に接近した作業員だけを確実に検知できるというわけです。

このシステムは施工中の新東名高速道路徳定トンネル工事(中日本高速道路発注)の現場で、バックホーやホイールローダーに搭載して、活用されています。 

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従来方法とアラウンドウォッチャーの比較

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狭いトンネル現場での活用例

磁界とICタグを組み合わせた安全対策は、ほかにもいろいろと用途がありそうですね。

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