管理人のイエイリです。
最近、海外ではBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)ソフトベンダーと、測量機器などのハードメーカーとの連携が活発になっています。
例えば、米国の大手測量機器メーカーであるトリンブル社が3DモデリングソフトやSketchUp、TeklaStructuresを買収したり、最近では米国オートデスク社がトプコン・ポジショニング・システムズ社と技術協力したりしています。
そして昨日(12/5)、新しいニュースが飛び込んできました。
ナ、ナ、ナ、ナント、
ベントレーとシーメンス
が、今年11月19日、戦略的に協業することを発表していたというのです。
シーメンズ産業オートメーション事業部のウェブサイト(資料:Siemens) |
シーメンスとの協業を発表したベントレー・システムズのウェブサイト(資料:ベントレー・システムズ) |
ベントレー・システムズは、「MicroStation」や「Bentley Architecture」などのBIM関連ソフトのベンダーで、シーメンスは、ドイツに本社を置く巨大な総合電機メーカーです。
今回の協業は、シーメンスが持つ製品の3次元CAD部品をベントレーのBIMソフト用に提供するといったようなことではありません。
製品設計・製造のデジタルプロセス設計と、施設ライフサイクル設計向け情報モデリングの統合を前進させることにより、自動車業界など向けに「デジタルファクトリー」のインフラの提供を目指すというのです。
まず、シーメンス産業オートメーション事業部とベントレー・システムズは、共通のファイル形式やコンテンツ、工場レイアウトのための統合的ワークフロー、プロセスおよびレイアウトの融合で協力します。
長期的に技術の共同開発を行うことによって、業界の要望を重視したソリューションの拡充や、シーメンスの製品ライフサイクル管理ソフト「Teamcenter」とベントレーのコラボレーションソフト「ProjectWise」の相互運用性強化などを検討するとのことです。
つまり、シーメンスの機器設計・製造のデジタルプロセス情報と、ベントレーの建築やインフラの
設計ソリューションを統合
することによって製品開発と工場建設のワークフローを一体的に進められるようにして、早期の生産開始や高い生産性の実現をねらうということですね。
両社の協調は、製造業の施主に生産設備としての「工場」だけを提供するのではなく、「製品の開発」まで含んだ最適化を実現する取り組みとして注目されます。
ベントレー・システムズが発表したプレスリリースには、「BIM」という言葉は一言も出てきませんが、これこそ、BIMならではの情報を生かした新しい工場の設計・建設ソリューションという感じがしてきますね。