管理人のイエイリです。
NTTドコモ(以下、ドコモ)は携帯電話基地局など全国約4000に気象データを観測・蓄積する環境センサーを設置し、環境センサーネットワークを構築しています。
観測できる気象データには、花粉や温度、湿度のほか風向風速や降水量、雷、さらには紫外線や雷まであります。このデータを使って、携帯電話やスマートフォンのユーザー向けに花粉情報や気象情報を提供したり、法人向けに気象データを販売したりしてきました。
ドコモでは、このネットワークを利用して防災上、重要な河川水位や遠隔画像などの観測機能、情報管理者向けの表示・分析機能を追加した自治体や企業向け「防災テレメータサービス」の提供を12月1日に開始し、愛知県知多郡武豊町で運用を始めました。
新たに追加される防災系センサーには、
ナ、ナ、ナ、ナント、
浸水や土壌水分
まで含まれるのです。
環境センサーネットワークの情報活用イメージ(資料:NTTドコモ。以下同じ) |
現在、気象庁のアメダスでは全国約1300カ所で降水量測定、約850カ所で気温や風向風速などを測定していますが、これにドコモの環境センサーネットワークの観測拠点によるデータが加わると、より高密度・高精度な気象実況情報を提供できます。
こうした高密度な情報により、ゲリラ豪雨や局地的な大雨、河川、そして津波の前兆現象など、局所的なニーズにも応えることができます。
自治体などでは雨量計や水位計、防災無線設備やサーバーなどを自身で保有・監理する必要がなくなり、必要な観測情報をウェブブラウザーなどで閲覧することができます。
自治体での活用イメージ |
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自治体向けの画面例 |
携帯電話会社は、通信エリアを拡大するため、あちこちに鉄塔やアンテナを設置する必要があり、設備投資が大変です。また、競合他社との料金引き下げ競争などにもさらされています。
その一方、全国の基地局に各種センサーを併設して、そのデータを基にした防災ビジネスのタネもころがっていたのですね。
ドコモは、モバイルを核とする
総合サービス企業
を目指しているとのことです。
全国に基地局を持つ携帯電話会社から、今後、どのような新しいビジネスが生まれるのか、楽しみですね。そして今後、人口減に悩む自治体の行政の効率化にも役立ちそうです。