電流で判断!飛島建設がコンクリ打ち重ね限界時間を高精度予測
2013年1月21日

管理人のイエイリです。

コンクリートの打設で注意を払わないといけないのは、打ち重ねたコンクリートの境目に「コールドジョイント」という不連続部分ができないようにすることです。

コールドジョイントの発生を防ぐためには、先に打設したコンクリートが固まり始める前に、後のコンクリートを打ち重ねることが必要です。

1月17日、飛島建設はコンクリートの打ち重ね限界時間を高精度で予測できる「コンクリート打重ね品質管理システム」を開発しました。

打ち重ね限界時間を予測するのに、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

コンクリートの電気伝導率

 

を使っているのです。

電気伝導率とは、コンクリート中の電流のに流れやすさを数値化したもので、電気抵抗の逆数になります。

使い方は、打設したコンクリートに新開発のセンサーを挿入し、電気伝導率を測定します。すると電気伝導率が徐々に上がっていきピークになります。

一方、この時からコンクリートの固さを表す「貫入抵抗値」、が上がり始め、コールドジョイントができやすくなります。このシステムはこの関係を利用して、打ち重ね限界時間を予測しています。

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コンクリートの練り混ぜ開始からの経過時間と電気伝導率、貫入抵抗値の関係(資料:飛島建設。以下同じ)

このシステムを開発するため、飛島建設ではコンクリートの種類や配合、外気温など様々な条件で、電気伝導率がピークになる時間と、打ち重ね限界の貫入抵抗値の関係を突き止め、データベース化しました。

このデータベースを基に、現場固有の条件下でもコールドジョイントなどの不具合の発生を、高い精度で防げるようになったのです。

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「コンクリート打重ね品質管理システム」の使用イメージ

では、コンクリートの凝結開始時間が、どれくらいの精度で判定できるかというと、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

1時間前から10分以内

 

の誤差で予測できるそうです。

下のグラフを見ると、凝結開始1時間前から予測時間の誤差が急に小さくなっていることが分かります。

20130121-image4.jpg

予測した許容打ち重ね時間の誤差例

今回、開発されたコンクリート打重ね品質管理システムは特許を出願中です。今後、同社の「ICTコンクリート打設管理システム」に組み込まれ、積極的に現場への展開を図る予定です。

20130121-image5.jpg

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