施工手順を4Dシミュレーション!ボストンの橋梁改修ビデオが話題に
2013年3月13日

管理人のイエイリです。

米国マサチューセッツ州ボストンとケンブリッジを結ぶロングフェロー橋は、橋の中央部に立つ4本の塔が食卓に置く塩・コショウの容器に似ているため“ソルト・アンド・ペッパー・シェイカーズ(salt and pepper shakers)”という愛称で呼ばれています。

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ロングフェロー橋。右端に塩・コショウの容器に似た塔が立っている(写真:Wikipediaより)

この橋には車道、歩道のほか、地下鉄「レッドライン」が通っており、ボストンの大動脈となっています。今年の夏から、この橋の大改修が行われることになりました。

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

道路や地下鉄を通したまま

 

で工事を行うのです。

工事は橋脚やアーチリブを除いて、床版やその下の垂直材などをすべて交換します。道路や地下鉄を通したままこの作業を行うため、6段階に分けて車線や線路を切り替えます。

工事は2015年に終了する予定ですが、途中、25回ほど週末に橋を閉鎖するので、利用者にも不便をかけてしまいます。

そこで、橋の管理者であるマサチューセッツ州交通局(MassDOT)は、4Dシミュレーションで工事の始まりから終わりまでを解説した7分半ほどのビデオを作り、YouTubeに公開しました。そのリアルさが話題を集めています。

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ボストン(手前)とケンブリッジ(奥)をつなぐ橋の全景(資料:MassDOT。以下同じ)

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まずは“塩・コショウの容器”をクレーンで撤去
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重機で床版や垂直材を撤去していく
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アーチリブを補修し、ガントリークレーンを設置して新しい垂直材を設置
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車線や線路を6回切り回して工事は完了

このビデオを見ると、工事関係者だけでなく、一般の利用者にも、道路や地下鉄を通したまま工事を行うことが、いかに大変かを実感できます。

まさに、CIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)による

 

施工手順の“見える化”

 

を、実践したものと言えるでしょう。

マサチューセッツ州交通局では、地下鉄利用者などに工事が始まったら時々、このビデオを見て、今、工事がどんな段階なのかを実物とビデオを比べながら見てほしい、と言っています。

YouTubeに公開されているビデオ

工事に対する理解を一般市民に呼びかける必要があるのは、日本も米国も変わらないようですね。日本でもCIM活用の第一歩として、工事手順を分かりやすくPRするために使ってみてはいかがでしょうか。

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