管理人のイエイリです。
2009年から毎年開催されてきたBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)による仮想設計コンペ、「Build Live」(主催:IAI日本)が今年も開催されることになりました。
これまでは課題の敷地の場所に合わせて「Build Live Tokyo」や「Build Live」などと、毎回、名称が変わっていましたが、6回目となる今回は「Build Live Japan 2013」として、9月30日(月)の13時から開催されます。
昨年開催された「Build Live Chiba 2012」の表彰式(写真:家入龍太) |
開催年 | 課題敷地 | 優勝チーム(社会人/学生) | 公式ウェブサイト |
2009 | 東京都中央区 | スカンクワークス(前田建設工業)/なし | http://bltokyo2009.seesaa.net/ |
2009 | 神奈川県川崎市 | すとりーむ(清水建設)/なし | http://bltokyo2009-2nd.seesaa.net/ |
2010 | 東京都八王子市 | SAFARI TOUR(大林組)/ARI-30(芝浦工業大学) | http://bltokyo2010.seesaa.net/ |
2011 | 兵庫県神戸市 | なし/TMT(芝浦工業大学大学院) | http://blkobe2011.seesaa.net/ |
2012 | 千葉県木更津市 | Chain-Diver(大林組)/なし | http://blchiba2012.seesaa.net/ |
2013 | ??? | ??? | http://bljapan2013.seesaa.net/ |
名称だけでなく、今回からルールもかなり変更になりました。まず、注目したいのは、開催時間です。
これまでは社会人向けの実務クラスは48時間、学生向けの学生クラスは96時間の制限時間でしたが、今回からは、
ナ、ナ、ナ、ナント、
両クラスとも100時間
になったのです。したがって月曜の午後に始まったコンペが終了するのは、10月4日(金)の夕方という、長丁場になります。
「えー、“48時間耐久レース”でも大変だったのに、これが100時間に延長されるの?」とビックリした方もおられるでしょう。しかし、主催者の開催概要からは「過剰な長時間作業は控え、余裕を持って作業できるようにPhaseを分けて作業分担するなど工夫してください。BIM計画書に作業計画を記載してください」と、これまでありがちだった徹夜作業などを避けて、「十分睡眠を取りながら作業してほしい」という意図が伝わってきます。
そして、これまであった実務と学生のクラス分けは廃止されて1本化され、プレゼンテーション用のCG静止画や終了後の提出物も廃止されるなどの変更がありました。
第1回、2009年(1回目)の優勝チーム「スカンクワークス」の作業風景(写真:家入龍太。以下同じ) |
第2回、2009年(2回目)の優勝チーム「すとりーむ」の作業風景 |
第3回、2010年の社会人クラス優勝チーム「SAFARI TOUR」の作業風景 |
第5回、2012年の社会人クラス優勝チーム「Chain-Diver」の作業風景 |
参加チームの評価ですが、今回は、
プロセス中心の評価
に変更されるということです。
「Build Live Japan 2013」の公式ブログ(資料:IAI日本) |
Build Live Japan2013の公式ブログで発表されている開催概要(PDF)には、BIMの取り組みの例として、
1. IFC形式によるデータ交換。データ統合
2. データ交換による異業種、異業務コラボレーション
3. 中間データ保管と説明(アピール)によるアカウンタビリティー
4. 建物関連業務におけるワークスタイルのイノベーション
5. デジタル化による試行の自動化。規格化、標準化を踏まえた自動化
が記されています。
特に意匠設計中心の評価というわけではないので、「建設生産システムの生産性向上」などのテーマで参戦しても、高い評価が期待できそうですね。これまでとは違った面白さや展開も出てきそうです。
また、主催者は毎回、課題敷地の選定に苦労しています。今回もまだ決まっていないようですので、「うちの土地を題材にしてもらってもいいよ」、という方がおられましたら、主催者のIAI日本までメールなどで連絡してください。
今年はどんな対戦になるのでしょうか。期待が高まります。参加希望のチームは9月上旬にも、「Build Live Japan 2013 公式ブログ」で受付が始まる予定ですので、ぜひ、この機会にチャレンジしてくださいね。