BIM元年の熱戦を再現!「BLJ2013」はあのマンション建て替え計画に
2013年9月13日

管理人のイエイリです。

BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)を使って短時間で建物の設計を競う仮想コンペ「Build Live Japan」(以下、BLJ)は、“日本のBIM元年”と呼ばれた2009年から毎年、開催されています。

今年もいよいよ、その季節になってきました。BLJ2013を主催するIAI日本は、BLJ2013の公式ブログサイトに、今回の課題敷地を発表しました。

驚くべきことに、今年の舞台は、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

川崎市の宮崎台ビレッジ

 

というマンションの建て替え計画になったのです。

20130913-image9.jpg

「BLJ2013」の課題敷地となった川崎市の宮崎台ビレッジ(資料:IAI日本。以下同じ)

実は、このマンション建て替え計画は、2009年9月9日~11日に行われた「Build Live Tokyo 2009 II」の課題でもありました。

この回のコンペは、私自身、強烈な印象で記憶に残っています。というのも、清水建設(チーム名:すとりーむ)、大成建設(T's Kitchen)、前田建設工業(スカンクワークス)、フジタ(48)、新菱冷熱工業(S)という大手ゼネコン・設備会社をはじめ、フォーラムエイト(F8W16)、ビム・アーキテクツ(V-SPEC)といったBIM界のプロ中のプロが7つのチームに分かれて、熱戦を繰り広げたからです。

20130913-image2.jpg 20130913-image3.jpg

清水建設(すとりーむ)の作品

大成建設(T's Kitchen)の作品
20130913-image4.jpg 20130913-image5.jpg
前田建設工業(スカンクワークス)の作品 フジタ(48)の作品
20130913-image6.jpg 20130913-image7.jpg
新菱冷熱工業(S)の作品 フォーラムエイト(F8W16)の作品
20130913-image8.jpg  
ビム・アーキテクツ(V-SPEC)の作品  

設計に使われたツールも4年前とは思えないほど画期的でした。例えば大成建設は「遺伝的アルゴリズム」によって最適な建物の配置を500万通りも比較検討したほか、横浜市内の技術研究所にある実物大「3Dスクリーン」で坂道の傾斜や擁壁の圧迫感、そして気流解析の結果を検証しました。

前田建設業は自動車メーカーの技術者を招き、「タブレット」を駆使してマンション建物と一体化するバスの設計を行ったほか、「3Dプリンター」で模型を作成しました。

フォーラムエイトは、設計したマンション内の道路や駐車場のデータを、本格的な「ドライビングシミュレーター」に取り込み、の運転のしやすさや視認性を確認し、建て替え後のマンションでの暮らしを「バーチャルリアリティー」で再現しました。

また、新菱冷熱工業は国内外の約90人でチームを組み、約100室あるマンションの各部屋を「一人一室」体制で設計するという驚異のコラボレーション技術を発揮しました。

結果的に清水建設のチーム「すとりーむ」が最優秀賞を獲得しましたが、参加チームそれぞれの取り組みには目を見張るものがあり、歴史に残る熱戦だったと言えるでしょう。

今回のBLJ2013から、社会人を対象とした「実務クラス」、学生を対象とした「学生クラス」の区分はなくなり、全チームが9月30日(月)13時 ~ 10月4日(金)17時の100時間で戦います。

これまで、審査基準が意匠設計を重視する傾向があったため、最近はゼネコンのチームでも意匠設計しか行わないなど、施工や維持管理段階の取り組みがほとんどなくなり、やや迫力に欠けた感もありました。

その点、今回、主催者は施工者や管理者を含めたチーム編成も推奨しているほか、BLJの取り組みとして

 

建物関連業務における

 

ワークスタイルのイノベーションも挙げています。

BLT2009 IIから4年目後の今年、またあのときのバラエティーあふれる熱戦が再来するのでしょうか。私自身も、今回、BLJがどう変わるのかに、大いに関心を持っています。

参加希望のチームや、ネット上の観戦希望者は、BLJ2013の「参加、見学者登録サイト」上で受け付けが始まっていますので、興味のある方はぜひ、ご参加ください。

(Visited 2 times, 1 visits today)

Translate »