BIMの属性情報を空調設計で使う!大林組が開発した「BIMZONE-Σ」
2013年10月9日

管理人のイエイリです。

建物の省エネルギー性能を評価する方法にはいろいろあります。2013年4月に施行された改正省エネ法の「住宅・建築物の省エネルギー基準」では、建物が消費するエネルギーを「一次エネルギー消費量」に換算して評価することになっています。

建物のエネルギー消費量は「熱負荷計算プログラム」を使って計算しますが、このとき壁際や奥、部屋の用途などに応じて設けた「空調ゾーン」ごとに、外壁や窓の仕様や面積、空調機に関するデータの入力作業が必要です。

そしてエネルギー消費量を一次エネルギーに換算する「一次エネルギー消費量算定プログラム」には、その書式に合わせて同様の入力データを作る必要があるので、手間ひまがかかっていました。

そこで、大林組は両プログラム用の入力データ作成作業を効率化するため、空調設計支援システム「BIMZONE-Σ」を開発しました。

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

BIMモデルの属性情報

 

を空調ゾーンごとに取り込み、熱負荷計算プログラムと一次エネルギー消費量算定プログラムの入力データを作ってくれるシステムなのです。

20131009-image1.jpg

BIMZONE-Σの画面イメージ(資料:大林組。以下同じ)

このシステムはBIMソフト上で動作し、簡単な操作で部屋の窓配置などの情報から空調ゾーンを自動設定するとともに、建物の熱的特性や空調システム特性を考慮した、空調ゾーンデータを統廃合編集できます。

また、ゾーンごとに各種の面積が自動計算され、熱負荷計算用データ、一次エネルギー消費量算定用データが効率的に作成できます。

熱負荷計算には、2012年4月に建築設備技術者協会が公開した動的熱負荷計算・空調システム計算プログラム「NewHASP/ACLD」を使用し、一次エネルギーへの換算には国土交通省などにより開発された一次エネルギー消費量算定プログラムを使用しています。

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BIMと連携した空調設計支援システム「BIMZONE-Σ」の活用フロー

このシステムによって、建築物関連の入力作業時間は

 

従来に比べて約50%削減

 

できるようになったそうです。

大林組は2015年度末にはすべての設計施工プロジェクトでBIMを使うことを目指しています。今年10月1日には、従来のBIM推進室がPDセンターに改組されました。

同社のBIMとCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング。土木のBIM)のパワーは、ますます強化されていくようです。

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