管理人のイエイリです。
BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)ソフトなどで設計した3次元空間内に、自分が入り込んで見られるバーチャルリアリティー(VR)は、建設業でもまちづくりなどの分野で使われてきました。
最近はタブレット端末を利用して、実空間の中に建物などのBIMモデルを合成して見られる拡張現実感(AR)の利用も増えています。
VRとARを総称したMR(Mixed Reality)は、モックアップやモデルルームなどを作らなくても建物のデザインや空間の広がりを確認できるので、建設業でも今後、ますます普及していきそうですね。
これまで、本格的なMRを体験するためには、頭にヘッドマウント・ディスプレーを着けなければならなかったため、準備に時間がかかり、多くの人がMRを交代で体験するのには不便な面もありました。
そこで、キヤノンはヘッドマウント・ディスプレーの不便を解消する新製品「HH-A1」を開発しました。
ナ、ナ、ナ、ナント、
手持ち式ディスプレー
で本格的なMRを体験できるようにしたのです。
キヤノンが開発したMR用手持ち式ディスプレー(写真:キヤノン。以下同じ) |
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使用シーン。位置合わせ用にカーペット状のマーカーと専用小型カメラを使用する |
ヘッドマウント・ディスプレーのように装着が面倒でないので、大勢の人が集まるショールームなどでも「わー、すごい!」「どれどれ、私も見せて」という具合に交代しながらリアルなVRやARを体験することができます。
また、これまでのVRやARは、実際の視点と3D空間の位置合わせをするため、周囲に何台もカメラを設置するなど大がかりな設備が必要でした。
そこで今回、新たにMR用のソフト「MREAL Platform MP-110」を開発し、手持ち式ディスプレーに専用の小型カメラを取り付けるだけで、
現実空間との位置合わせ
が簡単にできるようになりました。
建設業での用途としては、BIMやCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)でのデザイン確認などのほか、3Dレーザースキャナーで計測した点群データを見るということにも使われ始めているようです。
キヤノンITソリューションズは2013年11月28日に東京・東品川の本社ビルで「建築業界向け MREALソリューションセミナー」を開催し、建築や点群などの分野におけるMRの活用について説明するほか、体験会も行うとのことです。MRに関心のある方は参加してみてはいかがでしょうか。