照明スイッチはiPad!東大にユビキタス研究棟がオープン
2014年5月19日

管理人のイエイリです。

東京大学本郷キャンパス内に、複雑な曲面のファサードを持ち、その上を杉板が覆っているというユニークなデザインの建物「ダイワユビキタス学術研究館」がこのほどオープンし、5月14日に報道関係者向けの内覧会が行われました。

S造地上3階建て、地下2階建ての建物を設計したのは、隈研吾建築都市設計事務所、施工を担当したのは大和ハウス工業です。

複雑な曲面からなるファサードを持つ「ダイワユビキタス学術研究棟」(写真:家入龍太)

複雑な曲面からなるファサードを持つ「ダイワユビキタス学術研究棟」(写真:家入龍太)

建物の裏側。溶接金網に左官仕上げを施した左官メッシュパネルで覆われている

建物の裏側。溶接金網に左官仕上げを施した左官メッシュパネルで覆われている

ファサードを不規則な寸法、位置で覆う杉板

ファサードを不規則な寸法、位置で覆う杉板

式典でのテープカット。左から東大教授の坂村健氏、大和ハウス工業会長の樋口武男氏、東大大学院情報学学環長の須藤修氏、東大教授の隈研吾氏

式典でのテープカット。左から東大教授の坂村健氏、大和ハウス工業会長の樋口武男氏、東大大学院情報学学環長の須藤修氏、東大教授の隈研吾氏

この建物は大和ハウス工業の創業者である故・石橋信夫氏の遺志を受けて、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

大和ハウスが東大に寄付

 

した建物なのです。

この建物は東大大学院情報学環のユビキタス分野の教育・研究拠点になるもので、照明や空調、エレベーターなどの制御の実験棟としての機能を担っています。
そのため、館内には温度・湿度センサーや人感センサーなどが約500個も取り付けられており、いつでも設備やセンサーに手が加えられるようにするため天井板はありません。
館内には温度や湿度を自動感知する「環境モニタリングシステム」や、人の位置を自動認識する「ユビキタス場所情報インフラ」が装備され、「オープンAPIコントロール」によって、ネットワーク制御が可能です。
例えば、外が暗くなると自動的に電灯がついたり、室内カメラの画像認識によってジェスチャーでエレベーターを呼んだりといったシステムもやる気になれば開発できるのです。

照明や空調設備、センサーなどがむき出しの天井

照明や空調設備、センサーなどがむき出しの天井

iPadで呼べるエレベーター

iPadで呼べるエレベーター

また、地下には巨大な建物や土木構造物などを実物大の映像で保存や再現ができる「ユビキタス空間物アーカイブギャラリー」や、3階には125席のホール「ダイワハウス石橋信夫記念ホール」も設けられています。

地下に設けられた「ユビキタス空間物アーカイブギャラリー」

地下に設けられた「ユビキタス空間物アーカイブギャラリー」

3階にある「ダイワハウス石橋信夫記念ホール」

3階にある「ダイワハウス石橋信夫記念ホール」

最先端のICT技術を導入したこの研究館では、驚くべき秘密が隠されていました。

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

照明のスイッチがない

 

のです。

というのは、スマートフォンやタブレット端末が照明のスイッチになっているからです。

タブレット端末が照明のスイッチ代わりになるため、壁面にはスイッチがない

タブレット端末が照明のスイッチ代わりになるため、壁面にはスイッチがない


今後、この建物からどんなユニークな空調や照明、エネルギー管理システム、そしてロボット活用技術が生まれるのかが楽しみですね。

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