TS並みの精度と素早さ!GNSSレベル「Z-Plus」を生んだトプコンの新発想
2014年6月23日

管理人のイエイリです。

GPS衛星などを使って位置計測するGNSS(衛星測位システム)は、縦横方向(XY方向)に比べて高さ方向(Z方向)の精度が悪いのが悩みのタネでした。

今月、トプコンが発売したGNSSレベル「Z-Plus」 は、こうしたGNSS測量の常識を一変させる性能を持っています。

高さ方向も

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

トータルステーション並み

 

の高精度で測定できるのです。

 

6月に発売されたGNSSレベル「Z-Plus」の固定局(左)と移動局(右)(写真・資料:トプコン。以下同じ)

6月に発売されたGNSSレベル「Z-Plus」の固定局(左)と移動局(右)(写真・資料:トプコン。以下同じ)

 

高精度で高さを測れる秘密は、固定局から発信されるレーザー光線にあります。

既知点に固定局を置き、水平面に対して±5mの範囲でレーザー光を発信します。移動局側はGNSS衛星からの電波で自分のXY座標を求めるとともに、固定局からのレーザー光を頼りに、Z方向の座標も求めるというわけです。

このレーザー光のおかげで、高精度のZ座標が求められるというわけです。

レーザー光なし(左)とあり(右)の場合で、移動局側の高さ方向の計測値を比較したもの。レーザー光ありの場合は、常に精度が安定していることがわかる

レーザー光なし(左)とあり(右)の場合で、移動局側の高さ方向の計測値を比較したもの。レーザー光ありの場合は、常に精度が安定していることがわかる

一般のレベルは、水平面にしかレーザー光を出さないので、高低差が大きい2点間を測るためには何度もレベルの位置を移動させる作業が必要でした。

その点、Z-Plusは5mの高低差まで対応でき、さらに移動局を4つまで同時に稼働させられるので効率的に作業できます。

固定局からのレーザー光発信イメージ。水平面から±5mの範囲でレーザー光を発信するので高低差の大きな現場でも効率的に測れる

固定局からのレーザー光発信イメージ。水平面から±5mの範囲でレーザー光を発信するので高低差の大きな現場でも効率的に測れる

測量を開始するとき、固定局の位置を既知点から割り出す必要があります。一般のトータルステーションは、2点の既知点を見通せる場所に置き、測量開始前にこれらの2点にターゲットをおいて距離と角度を測る必要がありました。

その点、Z-Plusは

 

1点の既知点を見るだけ

 

で固定局の位置を割り出すことができます。

測量開始前は、1点の既知点を見るだけで固定局の位置を割り出せる

測量開始前は、1点の既知点を見るだけで固定局の位置を割り出せる

毎回の測量に先立って行う作業ですので、2点目までプリズムを移動させる「移動のムダ」が省けると、この分だけ確実に生産性が向上します。

BIM、CIM時代の測量機らしいですね。

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