管理人のイエイリです。
マイクロソフトのゲームマシン「Xbox」で、テニスなどのゲームをするとき、プレーヤーの動きを検知する「Kinect」というセンサーを使います。
このセンサーは赤外線によってVGA(640×480)画像の各画素の距離を計測する機能があります。4m程度の範囲で使える簡易型3Dスキャナーとしての機能を持っています。
Windows版の「Kinect for Windows v1」も2万円台で市販されています。
6月18日、東京・秋葉原で開催された「建築・設計業界向けセミナー」(主催:デル)の展示ブースでは、日本マイクロソフトエバンジェリスト、鈴木敦史さんがKinectでパソコンなどをスキャンし、3Dモデルを作るデモを行っていました。
そこで鈴木さんに、お願いしたのが、
ナ、ナ、ナ、ナント、
イエイリの“銅像”
をKinectによる3Dスキャンで、バーチャル試作してほしいということでした。
鈴木さんはこのわがままなお願いを快諾し、まず、ワークステーションに接続したKinectでカメラを持って銅像風に立った私の周囲をスキャンし、「Kinect Fusion Explorer」というソフトにデータを取り込みます。
少し時間をかけてスキャンしていくうちに、データがだんだんとなめらかになっていきます。
そしてこのデータを「Autodesk Meshmixer」というフリーソフトに転送すると、3Dプリンター用の3Dモデルが作成できます。
この3Dモデルデータから不要な部分を取り除き、3Dプリンターで出力すれば、建設ITジャーナリスト、イエイリのミニチュア銅像が完成する、というわけですね。
現行のKinectは、各画素の3D情報を得るのに赤外線パターンを投光し、そのゆがみから距離情報を読み取る「ライトコーディング(Light Coding)」という方法を使っているため、3Dモデルにするとやや粗い感じがします。
そこで、今年の夏、新型の
Kinect for Windows v2
発売が予定されています。
新型のKinectでは、各画素の距離情報を得るのに3Dレーザースキャナーでも採用されている「タイム・オブ・フライト(Time Of Flight)」という方法が採用されます。
そのため、スキャンした3Dモデルもぐっと精密なものになりそうです。価格は199ドルと、日本円にすると約2万円です。
BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)やCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)で、既存構造物などの3Dモデルの作成や、維持管理業務での3D計測などにも使えそうですね。