管理人のイエイリです。
河川の堤防や道路の盛り土などを施工するとき、ブルドーザーの排土板を3Dの設計データと人工衛星からの位置情報を利用して自動制御する「3Dマシンコントロール」という施工法があります。
これまでは従来のブルドーザーにアンテナやセンサー、モニターなどを後付けすることが一般的でしたが、今年9月、コマツはこれらの機器を運転席などに組み込み、押し土量に応じて排土板の高さを最適に制御する「全自動ブルドーザー」を日本市場に投入しました。
昨日(11月13日)、この全自動ブルドーザー「37PXi」を早くも導入した砂子組(北海道奈井江町)の旧夕張川築堤工事の現場を直撃訪問しました。
運転席の中を見せてもらってビックリ。そこには、
ナ、ナ、ナ、ナント、
WindowsXPの小型パソコン
が搭載されていたのです。
このパソコンは3Dマシンコントロールの司令塔とも言うべき装置です。ブルドーザーの現在位置と堤防の3D設計データを照らし合わせて、排土板を自動制御します。
この現場の堤防は4割勾配(高さ1に対して水平距離4)となっており、斜面の角度は水平に対して約14度となります。
この全自動ブルドーザー は20度の角度まで傾いても人工衛星の電波を受信できるため、堤防の法面に沿ってスピーディーに施工でき、曲線部も滑らかな仕上がりになります。
この全自動ブルドーザーの利点は、携帯電話の電波を使って位置情報を補正する「VRS方式」を利用できることです。
そのため、Windowsパソコンをインターネット経由で遠隔操作するソフト「TeamViewer」を使って、現場事務所のパソコンから、
車載パソコンを遠隔操作
することができるのです。
このソフトを利用して、堤防の3D設計データを遠隔操作で差し替えたり、オペレーターが見ている画面を現場事務所で見たりすることができます。
堤防工事のやり方も進化していますね。砂子組ではこのほか、3Dマシンコントロール付きのバックホーもこの工事で使用しました。これについては別の機会にお伝えしたいと思います。