管理人のイエイリです。
建築・土木分野とも、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)やCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)の導入で、3次元CADなどの設計ツールに対するニーズが高まっています。
こうした流れの中、フォーラムエイトは1月27日、3Dモデリングツール「3DCAD Studio」を発売しました。
建設業界で広く使われているDWG形式のデータを読み書きできるほか、CIMに対応し、同社のバーチャルリアリティーソフト「UC-win/Road」とも連携するソフトですが、その価格は
ナ、ナ、ナ、ナント、
18万円(税別)
と、3次元CADソフトとしてはリーズナブルなのです。
低価格の秘密は、ソフトの中心部である3次元CADエンジンにあります。
市販されている多くの3次元CADは、外国製のエンジンを採用しており、その使用料を含むためソフトの価格は高くなりがちです。
一方、3DCAD Studioは関西大学を中心にした産学連携の「カイザープロジェクト」で開発された国産の汎用3次元CADエンジンを採用しているため、低価格に抑えることができました。
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同プロジェクトで完成したエンジンをもとに、フォーラムエイトは約2年間をかけて入出力機能などを開発しました。このエンジンを採用したソフトとしては、日本発の製品となります。
生まれたばかりのソフトなので、機能も3Dモデル作成のベーシックなものが中心です。
例えば押し出しや回転による3Dモデルの作成や、カーブの作図、モデルへの着色、DWG・DXFファイルからの線分やポリラインの読み込み、DWG・3DSファイルへの3Dモデルの書き出しなどです。
しかし、建設業向けの機能はしっかりと押さえようという意図が伝わってきます。例えば、道路設計でよく使われる
クロソイド曲線の作図
も、パラメーターによって行えるのです。
今回のバージョンは、まだ生まれたばかりのソフトという感じもありますが、同社は今後、3Dモデルからの図面作成機能や、寸法からモデリングを行うスクリプトエンジンの搭載、作成したモデルをリアルタイムでUC-win/Road上に表示する機能などの開発も計画しています。
今後、BIMやCIMの業務で、日本の技術者が使いやすい3D設計ツールとして進化することを期待したいですね。