管理人のイエイリです。
地形図や道路の図面作成で行われる測量は、歩道に据え付けた三脚上の測量機をのぞきながら、標尺を持った人に指示を送り、縁石や側溝などの位置を一つ一つ、手間ひまかけて記録していくイメージがあります。
福井コンピュータは、こうした屋外での測量作業を、空調の効いた快適な室内作業に変える図面作成システムを開発、4月16日に発売することになりました。
その名も「Mercury-Evoluto MMS Edition」(PDF)というソフトで、
ナ、ナ、ナ、ナント、
トプコンのMMS計測機器
「IP-S3 HD1」で計測した大規模な点群データをもとに、パソコン上で様々な図面を効率的に作れるのです。
MMS(モービル・マッピング・システム)とは、3Dレーザースキャナーをクルマに積んで通常の速度で走行しながら、道路の路面や周辺の歩道、構造物などの表面形状を数百万~数億点という膨大な3次元座標で高精度に計測する測量システムです。
図面化したい道路に沿ってこのMMSをざっと走らせると、三脚や標尺を現場に設置することなく、道路や周辺の地形などの形を丸ごと3Dで記録できます。
そしてトプコンの「Mobile Master Office」というソフトで点群をパソコンに取り込みます。
あとはエアコンの効いた室内にあるパソコン上で点群データを見ながら、福井コンピュータの新製品「Mercury-Evoluto MMS Edition」によって測量専用CADの作図コマンドを利用して数値地形図や立面図、断面図、展開図などを作成します。
トプコンの「Mobile Master Office」と福井コンピュータの「Mercury-Evoluto MMS Edition」は相互に連携するようになっており、点群データから各種図面を効率的に作れるのです。
屋外作業が大幅に減って楽になるだけでなく、歩行者や交通に与える影響も少なくなりそうですね。
このシステムで作成した図面は、
国土交通省の数値地形図
作成マニュアル(「移動計測車両による測量システムを用いる数値地形図データ作成マニュアル(案)」)や、「道路ストック総点検実施要領(案)」に基づいています。
また、国土地理院が提供する「地理院タイル」の広域地図情報を利用して、MMSで計測した道路情報や図面を広範囲に管理することもできるようになっています。
こうした図面などが用意されていると、地域行政が災害に備える上でも有効ですね。