管理人のイエイリです。
BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)やCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)の普及とともに、建築模型などを自動的に作れる3Dプリンターの活用に注目が集まっています。
清水建設の本社では、石こうの粉末を固めて造形するタイプの3Dプリンター「ZPrinter 650」を2012年の新本社ビルへの移転を機に導入し、様々な建築・土木模型を作っています。
「石こうで作る模型は、シャープさに欠ける」と思っている方は、同社が3Dプリンターで作った模型を見てみると衝撃を受けるに違いありません。
というのも、通常は2mm程度の部材厚が必要なところ、
ナ、ナ、ナ、ナント、
1mm以下の部材厚
で精密に造形されたシャープな模型を作っているからです。
例えば、日枝神社の模型に付いている屋根裏の細い部材や手すりなどの太さは0.8mmくらいまで細く作られています。
また、清水建設の本社ビルの模型はシンプルな形ですが、ビル表面に付けられたテクスチャーの高さはナント、0.25mmしかありません。
小物といえば、人間の模型も様々なスケールで作られています。例えば、桐蔭横浜大学中央棟の200分の1スケール模型では、教壇に3Dプリンターで作られた先生が立っています。
細かいと言えば、鉄筋コンクリートや鉄骨部材のモックアップ模型も精密さ満点です。例えば、鉄筋コンクリートと鉄骨梁が接続する部分は、鉄筋と鉄骨部材が3次元空間に複雑に入り組んでいます。
この部分の模型は実際の施工シミュレーションが行えるように分解できるようになっています。模型を作るときはすべての部材を一回で造形したそうです。
このほか、北國新聞社ビルのファサードに使われた部材の検討では、
ナ、ナ、ナ、ナント、
実物大モックアップ
もこの3Dプリンターで製作したそうです。
このほか、資源エネルギー庁の委託業務による「緩衝材除去装置」の模型は、リールから伸びるホースが垂れ下がった様子が再現されたり、清水建設が構想した海上未来都市「グリーンフロート」の5000分の1スケール模型では底面のハニカム構造が表現されたりと、それぞれが実感あふれる模型でした。
3Dプリンターの“限界”を超えた精密模型を作れるようになるまでには、変形を防いだり、発色のよい向きで造形したりするための様々なノウハウが開発されたそうです。私も3Dプリンターに対する認識が変わりました。