管理人のイエイリです。
人手不足に悩んでいる工事現場は多いことでしょう。福岡県大川市にある現場員8人の昭和組も例外ではありませんでした。
昨年、施工した「矢部川本郷地区築堤工事」(国土交通省筑後川河川事務所発注)は、950mの施工区間で1万500m3の盛り土、1万6500m2の法面整形、6137m2の大型連節ブロック積みなどの工事を、11月から今年3月中旬の5カ月足らずの短工期で完成させなければいけませんでした。
人手不足の折り、昭和組では土工の目印となる「丁張り」などを設置する人員の応援はできず、1.5人という監理体制で工事に臨まなければいけませんでした。
この“修羅場”をどう乗り切るかを考えた技術者が出した結論とは、
ナ、ナ、ナ、ナント、
情報化施工の導入
により、丁張りをなくすという方法だったのです。
検討の結果、トプコンの3Dマシンコントロール付きのICTバックホー2台と、GNSS転圧管理システム付きのロードローラー2台を導入することになりました。
情報化施工用のデータは、建設システムの「現場大将」でLandXMLデータを作り、DWG互換CADソフトの「BricsCAD」で詳細3Dデータの作成や測量データの見える化を行いました。
そのデータを活用し、ICTバックホーで法面整形などを行いました。
重機のオペレーターは「この工事は情報化施工がなければ無理だっただろう。丁張りを設置する昔の施工には、もう戻れない」と、すっかり情報化施工にはまってしまったようです。
施工に使ったデータは、
昭和組が自作
しました。
そのため、情報化施工の原価を大幅に削減できたそうです。
情報化施工はお金がかかるというイメージがありますが、データ作成を自前で行うなど、工夫すれば小さな建設会社でも施工のツールとして使えそうですね。
こうした取り組みの結果、昭和組は無事、工期内に完工することができました。
発注者からは「これだけ測量技術があるのなら、次はCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)の本格活用をお願いしたい」という期待の声が出ているそうです。