管理人のイエイリです。
台湾でのBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)活用を取材するため、5月6日に台北市に本拠を置く建設会社、「潤弘精密工程(Ruentex Engineering & Construction)」のオフィスを直撃取材しました。
ゼネラルマネジャー(総経理)のシーニン・トーン(Shih-Ning Toong)さんをはじめとする技術者の皆さんが、企画や基本設計段階でのプレゼンテーションから施工段階での施工シミュレーションなど、同社のBIM活用についてCGやアニメーションを使って説明してくれました。
驚いたのはBIM導入時期の早さです。
ナ、ナ、ナ、ナント、
2008年に完成
した台湾大学土木工学科の校舎建設プロジェクトで、既に免震構造の動的シミュレーションや免震装置まわりの詳細構造の検討をBIMで行っていたのです。
こうした3Dによる検討は、BIMという言葉ができる前の1990年代後半には行っていたそうです。
BIMソフトとしては意匠設計にオートデスクのRevitやNavisworksなどを使っているほか、設備関係はベントレー・システムズのMicroStationを使っています。
また、工程管理にはBIMモデルとマイクロソフトのMS-Projectを連携させたシステムを構築しています。
意匠、構造、設備を合体した「フルBIM」モデルの構築も、当たり前という感じで行っていました。BIMを使える設計者や技術者は約40人おり、社内でBIMモデルを作っているそうです。
さらに驚いたのは、
BIMによる維持管理
システムをクラウドで構築し、既に数年前からビジネス化していることでした。
ゼネラルマネジャーのトーンさんは、1970年代後半に米国・イリノイ大学に留学していたことがあり、当時からBIM的なコンセプトによる建設を頭に描いていたそうです。
潤弘精密工程だけが突出しているのか、それとも台湾には同社のようにBIM活用に長けた建設会社や設計事務所が多いのかはまだわかりませんが、少なくとも同社が日本のスーパーゼネコンに負けないBIM活用力を持っていることだけは確かです。