管理人のイエイリです。
建設業界ではBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)やCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)の普及とともに、3Dプリンターの活用が進みつつあります。
それも建築模型やサッシのモックアップといった小さなものだけでなく、最近はコンクリートを造形材料として実物大の建物を作ってしまうものも開発が進んでいます。
そして、オランダのアムステルダムでは、3Dプリンターで
ナ、ナ、ナ、ナント、
鋼橋を架設する
という画期的なプロジェクトが進行しているのです。
このプロジェクトを進めているのは、MX3Dという合弁企業で、BIM/CIMソフトベンダーのオートデスクやオランダの建設会社、ハイジマンズ(Heijimans)のほか、重電メーカーのABB、デルフト工科大学など十数の企業や学校、自治体で構成されています。
3Dプリンターというと、これまでは機械本体の中に造形エリアがあり、その中で機械のサイズよりずっと小さい模型などを作るイメージがありました。
その点、MX3Dが開発している3Dプリンターは、6軸の産業用ロボットに溶接機を取り付けたような形をしており、機械本体よりもずっと大きなものを作れるようになっています。
同社が公開している動画によると、開発はまず、空中にスチール材料を使って曲線状の部材を造形することから始まったようです。最初のうちは造形物が途中で折れてしまったり、溶接機が爆発してしまったりというトラブルもあったようです。
しかし、関係者が努力を続ける中で少しずつ、複雑なオブジェやミニチュア版の橋が作れるようになりました。
アムステルダム市内では、今年9月には同社のビジターセンターでプロジェクトの経緯が公開される見込みです。
その後、すぐに同社とアムステルダム市が、
正確な建設地点を発表
するとのことです。
橋の設計には、オートデスクが開発中の「ドリームキャッチャー(Dreamcatcher)」のような設計ツールや、3Dプリンターの制御には「ダイナモ(Dynamo)」といったシステムも使われているようです。
MX3Dのプロジェクトは、3Dプリンターが土木構造物の建設機械として進化を遂げる大きな歴史的一歩となりそうですね。