管理人のイエイリです。
工事現場の入退場管理にICカードを使うというと、「そんなの前からやってるよ」と、あまり驚かない人も多いでしょう。
東急建設は、現場の安全・労務管理を効率化するため、「TcPassカード」という同社オリジナルのICカードを利用した作業所入退場システムを開発してきましたが、このほど首都圏の全現場に導入することになりました。(PDFリリース)
作業員がカードリーダーにICカードをかざすと、その人が作業員名簿に登録されているかどうかをシステムが瞬時に判断し、入場できないという機能は従来と同じです。
驚くべきは、その入退場履歴のデータを
ナ、ナ、ナ、ナント、
クラウドサーバーに保管
して、パソコンやタブレット、スマートフォンなどで現場管理者が閲覧できることです。
大規模な現場でも、場内になる作業員の人数を瞬時に確認したり、現場監督がモバイル端末を使って作業員の資格情報を確認したりと、現場の運営効率を大いに高めます。
また、協力会社でも作業員の入退場情報を閲覧できるというメリットもあります。
このシステムが首都圏全部の現場に導入されると、個々の現場がもつ情報を「ビッグデータ」として集約できます。その結果、支店単位での作業員の就労把握や、各現場への適正配置が可能になり、工程管理も効率化できます。
ICカードの有効期限は5年で、1枚のカードで東急建設の全現場で共通利用できます。また、カードを忘れた場合は、携帯電話やスマホを使ってその場でQRコードを発行し、臨時で入場することも可能です。
最近は建設工事の増加で、作業員も現場で奪い合いの状態になっています。そこで、この入退場システムには「作業員の囲い込み戦略」もあります。
例えば、今後、対応が考えられているのは
優良作業員にポイント
を付与することです。
東急建設の現場で優良作業員と認められると、給料以外にポイントがたまり、ますます東急建設の現場に出勤したくなるわけですね。
このシステムに登録されている協力会社は2015年6月現在で1450社、ICカードの発行枚数は1万3000枚に達しており、現在は6現場で導入しています。
7月以降は同社最大のプロジェクトである渋谷駅街区棟新築工事や渋谷駅南街区プロジェクト新築工事などにも順次、導入が予定されています。