管理人のイエイリです。
異なるベンダーのソフト間で、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)モデルのデータをやりとりするのに「IFC形式」という中間フォーマットが使われます。
ただIFCには、建物全体の3D形状と属性情報が含まれていますので、データ変換に時間がかかり、データ交換時に一部のデータが欠落することがよくあります。
BIMモデルをもとに数量積算や見積もりを、設計変更の度に繰り返し行うときは、あまり効率がよくありませんね。
そこで、日積サーベイは、オートデスクのBIMソフト「Revit 2015」から、自社の建築数量積算・見積書作成システム「NCS/HEΛIOΣ
V11.0」(以下:ヘリオス11)用の「TSVファイル」を書き出すRevit用のアドインアプリ「Helios Link 2015」を開発しました。
その結果、
ナ、ナ、ナ、ナント、
データ変換時間が1/10に
短縮されたのです。
このプラグインをRevit上にインストールしておくと、RevitのAPI(アプリケーション・プログラム・インターフェース)を利用して数量積算や見積もり作成に必要な部材だけを選び、1回のデータ変換でヘリオス用のデータが書き出せます。
その結果、IFCよりも少ないデータ量で迅速に業務が行えるほか、データ欠落も最小限に抑えられます。
「Helios Link 2015」で、Revit2015からヘリオス11に直接、取り込めるオブジェクトには、柱や梁、壁、床など基本的な部材のほか、巾木や廻縁など細かい部材も含まれています。
●Revit 2015からヘリオス11に書き出せるオブジェクト |
「柱」「梁(構造フレーム)」「壁」「床」「独立基礎」「部屋」「ドア」「窓」「プロジェクト名(物件名)」「レベル(階)」「通芯(通り芯)」仕上げ情報(最大 6 層分まで):「床」「巾木」「壁」「天井」「廻縁」 |
また、ありがたいことに、このアプリは「Autodesk App Store」上で
無料で提供
されています。
積算や見積もりは、生産性向上が行いにくい分野でしたが、BIMモデルとスムーズに連携できるようになると、効率も上がりそうですね。
オートデスクは、IFCとは別に自社や他社のソフトとデータ交換を効率的に行うことで、設計から維持管理までのスムーズなワークフロー連携を進める「Integrated
BIM」戦略を推進しており、今回のアプリもその一環として開発されました。