CATIAで設計!建機バケット型コーヒーカップがSNSで大絶賛
2016年4月18日

管理人のイエイリです。

工事現場でおなじみの建設機械、パワーショベルのバケットにコーヒーを注いで、豪快に飲んでみたい───3年にもわたるこんな夢を実現したのが、北海道余市町の建機開発会社、アースマシンの代表取締役社長を務める櫻庭健さんです。

当初の構想(以下の写真、資料:櫻庭健さん)

当初の構想(以下の写真、資料:櫻庭健さん)

アースマシン代表取締役社長、櫻庭健さん

アースマシン代表取締役社長、櫻庭健さん

実物のバケットの図面をもとに、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

バケット型コーヒーカップ

 

を作ってしまったのです。

完成したバケット型コーヒーカップの試作品

完成したバケット型コーヒーカップの試作品

同社のウェブサイトの「Earth Machineニュース!!」に、製作過程の一部始終が紹介されています。

まずはアースマシンが実物のバケットの製作に使われる図面とCGパースを陶芸会社の春山工芸に提出し、打ち合わせを行いました。

そして型を作るため、陶芸会社から依頼を受けた型製作専門会社、型宮産業のCADオペレーターが、図面からコーヒーカップの3Dモデルを作りました。使用したソフトは、機械設計用3次元CADソフト「CATIA」とのことです。

さらに3Dモデルからマシニングセンターと呼ばれるCNC(コンピューター数値制御)工作機械で原型を削り出ます。

コーヒーカップの3Dモデル

コーヒーカップの3Dモデル

マシニングセンターで削り出されたコーヒーカップの原型

マシニングセンターで削り出されたコーヒーカップの原型

この後、見本型や量産用の消耗品である使用型を作り、試作品が出来上がりました。ショベルの形はパワーショベルとの接続ピンなどもリアルに再現されているため、とても複雑で、1つの型だけでは作れません。

そこで分解できる石こう製の型を何種類か作っておき、泥状にした陶土を圧力を加えて注入する「圧力鋳込み成形」という方法でカップ本体や持ち手など6つのパーツを作り、1つに接合するという方法を採りました、

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2つに分解できる型
試作したコーヒーカップ

試作したコーヒーカップ

出来上がったカップは、数日間の乾燥後、水拭き仕上げを行って、まずは800度で約8時間の「素焼き焼成」を行います。

その後、カップに風合いを出すための加工を行い、うわぐすりを塗って1200~1300度で20~25時間の「本焼成」を行うと完成です。

完成したカップ。仕上げのテクスチャーにバラエティーがあふれています

完成したカップ。仕上げのテクスチャーにバラエティーがあふれています

“ウェザリング”により現場での使用感をリアルに表現したタイプも。私的にはこれに一番、惹かれます

“ウェザリング”により現場での使用感をリアルに表現したタイプも。私的にはこれに一番、惹かれます

あのパワーショベルのバケットが、こんなすばらしいコーヒーカップになるとは、ビックリですね。

気になる実用性ですが、確かに普通のコーヒーカップに比べると飲みにくいのは事実です。櫻庭さんによると、

 

角を使って飲む

 

のがコツで、十分、実用になるそうです。

現在、櫻庭さんは仕上げの風合いなどをさらに改良するための調整を行っています。製品化は5月ごろになり、価格は税別、送料別で1個3800円くらいになる見込みだそうです。

このバケット型コーヒーカップの製作過程は、アースマシンのウェブサイトのほか、Facebookやツイッターでも話題となり、ツイッターでは4000件以上のリツイートがあったそうです。5月の販売開始を首を長くして待っているファンは多そうですね。

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