BIMとiPadで維持管理!国産技術で開発した大林組の「BIMobile」
2016年4月19日

管理人のイエイリです。

建物の維持管理業務に、3次元で建物や設備などを表したBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)モデルを活用することが期待されています。

そこで大林組は、属性情報付きのBIMモデルをタブレット端末「iPad」に入れて現場に持ち運べる建物維持管理ツール「BIMobile(ビーモバイル)」を、ラティス・テクノロジー(東京都文京区)の協力を得て開発しました。

重たいBIMモデルをiPad上でサクサク動かすために使ったのは、BIMソフトベンダーの製品ではなく

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

国産の「XVL技術」

 

を使って開発したものなのです。

iPadにBIMモデルを入れて持ち運ぶイメージ(以下の資料:大林組)

iPadにBIMモデルを入れて持ち運ぶイメージ(以下の資料:大林組)

XVLとは、製造業での3Dモデルを使った作業指示システムなどを展開するラティス・テクノロジーが開発したもので、3Dモデルを100分の1以下のファイルサイズに圧縮できる技術です。

XVLで圧縮されたBIMモデルをiPad上で見ながら、実物の躯体や設備などと見比べながら、構造躯体や仕上げ材、建具、設備などの仕様や材質、基本性能、メーカーを調べることができます。

また、BIMモデルからサーバー上にある図面や取扱説明書、過去の点検記録にリンクを張っておき、BIMモデルにひも付けて閲覧することも可能です。

さらに、iPadに内蔵されているカメラで撮影した写真をひも付けたり、点検記録などの追加情報を

 

Excel形式

 

で作成したりして、サーバー上のデータを更新することができます。

システム全体のイメージ図

システム全体のイメージ図

追加情報の点検項目などは、Excelが使える人なら誰でも追加や削除などが行えるので、BIMソフトなどの専門的な知識はいりません。

点検記録などを報告書としてまとめるときにも、Excelならではの柔軟さで、短時間に行えます。

これまで長年にわたって、維持管理段階でのBIM活用が提唱されてきましたが、期待の割には実現されてきませんでした。このiPadのシステムなら、「やってみたい」と関心を示す建物オーナーも出てきそうですね。

なお、「BIMobile」は某社の通信サービスと名前が似ていますが、ちゃんと商標登録がなされています。

 

(Visited 1 times, 1 visits today)

Translate »