管理人のイエイリです。
建設現場ではこれから暑くなるシーズンに、熱中症対策が大きな課題となります。
そこで大阪市東淀川区の熱中症対策チーム「クールスマイル」(代表者:中西雄三氏)は、世界初の「人間エアコン」を開発。量産化に向けてクラウドファンディングで資金を調達中です。
これまで、作業服に電動ファンを取り付けて外気を取り入れて冷やすものがありましたが、「人間エアコン」が画期的なのは、
ナ、ナ、ナ、ナント、
水冷方式を採用
している点なのです。
「人間エアコン」は水を通す素材でできた水冷服と、水を水冷服に循環させるための水循環冷却バッグからなります。
水冷服は約1mm厚のフィルムでできているため肉厚が薄く、チューブを使ったものより熱伝達が早く、しなやかな着心地となっています。
フード付きなので、屋外の作業で直射日光が当たりやすい首筋のほか、頭部もしっかり冷却できます。
水循環パックには水タンクのほかバッテリーやポンプ、スイッチなどを収納してあり、作業着の上からリュックサックのように背負います。
クールスマイルは日本国内やカタールのドーハの工事現場でモニタリングテストを行いました。その効果はてきめんです。周囲の温度は高くても、水冷服を着用した上半身や頭部はクールに保たれていたのです。
ここで不思議なのは、水冷服内を循環させた水の熱を、どのように放熱しているのかです。
その答えは、水タンクに、
凍らせたペットボトル
を使っているのでした。
冷蔵庫で水を8分目くらいまで入れたペットボトルを凍らせておき、これに少量の「呼び水」を入れてポンプにつなぎ、冷却服内を循環させているのです。
米国のアポロ計画では、宇宙飛行士が船外活動をする際、照りつける太陽光の高温から身を守るため、冷却機能を持った「生命維持装置」付きの宇宙服を着用していたそうですが、まさにこれに似た熱中症対策システムですね。
この「人間エアコン」は2016年6月30日までクラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」で資金を募集中です。7万円でフルセット製品、5万円だと頭部冷却機能のみの製品が送られてきます。
製品のお届け予定は2016年7月とのことですので、今年の熱中症対策にも間に合いますよ。