管理人のイエイリです。
国土交通省は2016年度から3次元CADによる設計や情報化施工、ドローン(無人機)による計測・検査などで、現場の生産性を上げる「i-Construction」政策をスタートしました。
地方の建設会社も、早速、i-Conへの対応を始めています。北海道奈井江町に本社を置く砂子組は、以前から設計データ通りに盛り土や切り土を施工する機能を持ったICT建機の活用に力を入れてきました。
そして、i-Con開始後、現在では土木、建築とも
ナ、ナ、ナ、ナント、
7~8割の現場でICT建機
を活用するほど、情報化施工を普通に使いこなしているのです。
例えば、現在施工している道央圏連絡道路の3つの工区で、同社は工事に先立って、現場でドローンを飛ばし、地表の連続写真を撮影。その写真から現況地形の3Dモデルを作ります。
そのモデルを土木用3次元CADソフト「AutoCAD Civil 3D」に読み込み、新しく作る盛り土や切り土の3Dモデルを作っていきます。
そして盛り土部分は、土砂を敷きならし、締め固めるため、1層分の厚さである30cmごとに分割し、ICTブルドーザーの入力データとして使います。
既に道央圏連絡道路の現場では、ICTブルドーザーやICTバックホーが集結し、地盤改良作業を行っています。
今後、路体盛り土や法面整形、橋台の掘削などの作業を、これらのICT建機で行って行きます。
ボックスカルバートや集水ますなどの小型構造物は、
プレキャスト化にも挑戦
していくとのことです。
i-Constructionでは、生産性がここ数十年、ほとんど変わっていない土工とコンクリート工の生産性を5割アップさせることを目標にしています。砂子組は、その目標に向かって着々と挑戦しています。
砂子組はi-Constructionに対応するため6月に「ICT施工推進室」を設置し、土木、建築のほか同社が経営する炭鉱でのICT活用技術を一元管理する体制を整えました。
各分野の工事で得られたノウハウや経験を他分野の工事に生かし、情報化施工の効果を全社的に高めるのが目的です。
土木だけでなく建築や炭鉱まで情報化施工のノウハウを活用し、全社の生産性を向上させようという砂子組の取り組みには注目が集まり、現場には毎週のように視察団が訪れているようです。今後の同社のチャレンジは、要注目ですね。