世界の“i-Con事例”が大集結!ベントレーがインフライベントを開催
2016年11月1日

管理人のイエイリです。

米国を本拠とするベントレー・システムズ(Bentley Systems)は、海外のインフラ業界ではオートデスクに勝るとも劣らない強力な3Dソフトベンダーとして名をはせています。

同社は毎年、「ザ・イヤー・イン・インフラストラクチャー(The Year in Infrastructure)」という、世界的なユーザーイベントを開いていますが、今年も10月31日から英国・ロンドンで始まりました。

10月31日、ロンドンで開幕した「The Year in Infrastructure 2016」で講演するベントレー・システムズCEOのグレッグ・ベントレー氏(以下の写真:家入龍太)

10月31日、ロンドンで開幕した「The Year in Infrastructure 2016」で講演するベントレー・システムズCEOのグレッグ・ベントレー氏(以下の写真:家入龍太)

このイベントは、同社の3Dソリューションを駆使した世界のBIM、“i-Con”プロジェクトが大集結し、道路や鉄道、建築などの各分野の最優秀作を選んで表彰する「BE
Inspired」というアワードの授賞式も開催されます。

世界的な視点でインフラを見ると、意外なことが分かってきます。例えば、交通インフラで今、一番、積極的な投資が進んでいるのは、道路ではなく、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

鉄道がダントツ

 

なのです。

世界的に見ると交通インフラの投資額の半分以上は鉄道が占めている

世界的に見ると交通インフラの投資額の半分以上は鉄道が占めている

鉄道網の整備というと、日本では建設が一段落した感もありますが、世界では中国やインドなど発展中の国から、欧米などの先進国までが、高速鉄道やライトレールなどの整備に積極的に投資しています。

その設計・施工にはもちろん、BIMやi-Con的な手法が大いに活用されているのです。Be Inspiredアワードでも、鉄道分野は大いに注目されています。

世界の鉄道プロジェクトは、最新の3D技術で設計・施工が行われている

世界の鉄道プロジェクトは、最新の3D技術で設計・施工が行われている

また、実際の地形や構造物、街並みなどをドローンや3Dレーザースキャナーを駆使して3Dモデル化し、設計や維持管理を行う「リアリティー・モデリング」も、今回のイベントで要注目のトピックとなっています。

今回のアワードでは、リアリティー・モデリング部門に早稲田大学と大林組ペアによる、BIMモデルと点群データを使った工事進ちょく管理システムが決勝に残っています。

リアリティー・モデリング部門には、早大・大林ペアによる工事進ちょく管理システムも決勝に残っている

リアリティー・モデリング部門には、早大・大林ペアによる工事進ちょく管理システムも決勝に残っている

ドローンによる空撮写真から3Dモデルを自動作成する同社の「ContextCapture」というソフトは、3Dレーザースキャナーで計測した点群データも併用できるようになりました。

鉄道施設などは、レールの正確な位置を3Dレーザースキャナーの点群データをもとにモデル化し、周囲の建物や地形はドローンの空撮写真でモデル化することで、正確さと周囲の建物との位置関係などを反映した3Dモデルが作れます。

ドローンの空撮写真と3Dレーザースキャナーの点群データを合成して作成した線路周辺の3Dモデル

ドローンの空撮写真と3Dレーザースキャナーの点群データを合成して作成した線路周辺の3Dモデル

BIMなどの3Dソフトでインフラをモデル化するというと、ライバルのオートデスクとどう差別化しているのかが気になります。

そこで、「オートデスクに対して、ベントレーの強みとは何か」という質問を、ベントレー幹部にぶつけてみたところ、返ってきた答えは

 

ライフサイクル・マネジメント

 

までをしっかりカバーしていることだ、というものでした。

「ベントレーの強みはライフサイクル・マネジメント」と回答するベントレー・システムズ幹部たち

「ベントレーの強みはライフサイクル・マネジメント」と回答するベントレー・システムズ幹部たち

ベントレー・システムズは最近、道路や鉄道などの分野でデータ交換性が優れた「CONNECTシリーズ」という3Dソフトを続々と発表しており、完成後の運用・維持管理を行う「AssetWise」という製品も「CONNECT」版が投入されました。

つまり、3Dで企画設計から基本設計、詳細設計、施工、そして運用・維持管理まで行える一連の製品群が完成したわけです。

イベントの会期中、他の大手企業と連携して新たな発表も行われるようですので、ご期待ください。

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