手作業より20倍の効率!JR東海が3Dスキャナーでまくらぎ厚を計測
2016年12月8日

管理人のイエイリです。

東日本旅客鉄道(JR東海)では今年度から東海道新幹線の無道床橋梁で、脱線防止ガードの設置を進めています。

無道床橋梁とは、橋桁の上にバラスト(砕石)を敷かず、直接まくらぎを取り付けてレールを敷設した橋梁のことです。

無道床橋梁に設置した脱線防止ガード(以下の写真、資料:JR東海)

無道床橋梁に設置した脱線防止ガード(以下の写真、資料:JR東海)

この区間のまくらぎには、驚くべき事情が隠されています。

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

1本ずつ厚さが違う

 

のです。

その理由は、列車が通過するとき荷重で橋桁がたわむため、それを見越して橋桁の中央を高くしてあり、列車が通過するときにレール正面が平らになるようにしているからです。

橋桁だけでなく、まくらぎの厚さも連続的に変えておく必要があるのです。

まくらぎの厚さが1本ずつ違う理由

まくらぎの厚さが1本ずつ違う理由

そのため、脱線防止ガード取り付け用の金具を備えたまくらぎを作るために、既存のまくらぎの厚さを1本ずつ計測する必要があります。

従来は作業員が1本ずつ、手作業でまくらぎの厚さや幅などを計測していましたが、大変な時間と労力がかかっていました。

無道床橋梁脱線防止ガード全長は24.4kmにもおよび、今後、3万本のまくらぎを計測する必要があります。

従来の手作業によるまくらぎ厚計測風景

従来の手作業によるまくらぎ厚計測風景

計測のポイント

計測のポイント

そこでJR東海はこの作業を省力化するため、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

3Dレーザースキャナー

 

でまくらぎ周辺の形状を一網打尽に計測できるまくらぎ測量装置を開発したのです。

まくらぎ測量装置による計測風景

まくらぎ測量装置による計測風景

3Dレーザースキャナーを備えたまくらぎ計測装置と計測データ

3Dレーザースキャナーを備えたまくらぎ計測装置と計測データ

レーザースキャナーによる計測イメージ

レーザースキャナーによる計測イメージ

このまくらぎ測量装置は3Dレーザースキャナーのほか、GPS(全地球測位システム)や走行距離計などによって構成されています。

時速2kmで計測区間を数回走行することにより、最大誤差±1mmの高精度で計測ができます。

従来の手作業だと1日に30m分を測るのがやっとでしたが、この装置を使うと1日600mを計測でき、効率は20倍にアップするそうです。

なお、この装置についてJR東海はアスコ大東(本社:大阪市)と今年11月に共同で特許を出願しています。

(Visited 3 times, 1 visits today)

Translate »