東日本旅客鉄道(JR東海)では今年度から東海道新幹線の無道床橋梁で、脱線防止ガードの設置を進めています。
無道床橋梁とは、橋桁の上にバラスト(砕石)を敷かず、直接まくらぎを取り付けてレールを敷設した橋梁のことです。
この区間のまくらぎには、驚くべき事情が隠されています。
ナ、ナ、ナ、ナント、
1本ずつ厚さが違う
のです。
その理由は、列車が通過するとき荷重で橋桁がたわむため、それを見越して橋桁の中央を高くしてあり、列車が通過するときにレール正面が平らになるようにしているからです。
橋桁だけでなく、まくらぎの厚さも連続的に変えておく必要があるのです。
そのため、脱線防止ガード取り付け用の金具を備えたまくらぎを作るために、既存のまくらぎの厚さを1本ずつ計測する必要があります。
従来は作業員が1本ずつ、手作業でまくらぎの厚さや幅などを計測していましたが、大変な時間と労力がかかっていました。
無道床橋梁脱線防止ガード全長は24.4kmにもおよび、今後、3万本のまくらぎを計測する必要があります。
そこでJR東海はこの作業を省力化するため、
ナ、ナ、ナ、ナント、
3Dレーザースキャナー
でまくらぎ周辺の形状を一網打尽に計測できるまくらぎ測量装置を開発したのです。
このまくらぎ測量装置は3Dレーザースキャナーのほか、GPS(全地球測位システム)や走行距離計などによって構成されています。
時速2kmで計測区間を数回走行することにより、最大誤差±1mmの高精度で計測ができます。
従来の手作業だと1日に30m分を測るのがやっとでしたが、この装置を使うと1日600mを計測でき、効率は20倍にアップするそうです。
なお、この装置についてJR東海はアスコ大東(本社:大阪市)と今年11月に共同で特許を出願しています。