東京本店ロビーも水没?!竹中工務店がBIMをもとに災害体験VRを開発
2017年4月14日

管理人のイエイリです。

数百年に一度起こるレベルの地震や津波が発生したとき、いつものオフィスがどんな状態になるのか想像がつきますか。

日常生活からは想像できないような火災や水害が起こったとき、スムーズな避難ができるかどうかの決め手はズバリ、イメージトレーニングの有無にかかっているのではないでしょうか。

竹中工務店は、地震や津波、火災などの災害予測と、避難行動の解析結果を統合し、事前にイメージトレーニングができる統合VR(バーチャルリアリティー)システム「maXim(マキシム)」を開発しました。

地震、火災、津波の災害に見舞われたオフィスをVRで再現する「maXim」(以下の資料:竹中工務店)

地震、火災、津波の災害に見舞われたオフィスをVRで再現する「maXim」(以下の資料:竹中工務店)

このほど、maXimで再現した災害や避難行動の動画が公開されました。そのリアルさにはビックリしました。

それもそのはず、街並みや建物を再現するのに

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

BIMモデルを活用

 

しているからなのです。

例えば、「地震→火災→津波×避難」を想定したVR作品は、オフィスが地震に見舞われ、家具類が倒壊するシーンから始まります。

オフィス内では給湯室で火災が起こり、煙が広がる中、社員が階段を通って屋上へと避難します。同時に付近の川があふれ始め、津波となってオフィスを直撃。廊下にまで濁流が押し寄せます。その水のリアルさには驚きました。

地震動によって倒壊する家具類。引き出しが出てくるところもリアルです

地震動によって倒壊する家具類。引き出しが出てくるところもリアルです

給湯室で火災が発生する中、避難を始める社員

給湯室で火災が発生する中、避難を始める社員

階段を伝って逃げる様子

階段を伝って逃げる様子

屋上に到達した社員

屋上に到達した社員

すると付近の川があふれ始める

すると付近の川があふれ始める

津波となってオフィスを直撃

津波となってオフィスを直撃

いつもは平和な廊下に濁流が押し寄せ、想像できない状態に

いつもは平和な廊下に濁流が押し寄せ、想像できない状態に

日ごろ、平和なオフィスの風景が災害時には一変してしまうことを、このようなVRを見て仮想体験しておくことで、いざというときに逃げ遅れる人はかなり減らせそうですね。

また、避難する人の視点のほか、第三者の目で避難行動の一部始終を見ることで、客観的にどんな問題があるのかも、明らかになりそうです。

もう一つ、公開されたVR作品「高潮×避難」では、建設業界の方にはおなじみの

 

竹中工務店東京本店ロビー

 

と思われる場所が、リアルに水没するシーンが描かれています。

 

地震が起こり、いすに座っている人も次々と立ち上がる

地震が起こり、いすに座っている人も次々と立ち上がる

浸水し始めたロビーから階段を駆け上がって逃げる人々

浸水し始めたロビーから階段を駆け上がって逃げる人々

完全に水没したロビー。オブジェのような照明も浮いている

完全に水没したロビー。オブジェのような照明も浮いている

いつも、見慣れた同社のロビーが、数百年、数千年に一度の災害時にはこんな状況になる可能性もあるということを知っていれば、いざというときも冷静に行動できそうですね。

そして、最近、普及が進んでいるVRゴーグルでこの災害体験を行うと、さらに災害時の状況がリアルに体験できるでしょう。

竹中工務店はmaXimをハザードマップのVR化や避難誘導、ビジュアルなBCP(事業継続計画)などに活用していく計画です。

BIMモデルをもとに災害や避難行動を再現するmaXimの仕組み。①BIMから必要情報を抽出→②災害現象や人の避難行動を解析→③解析の結果や、建物の3次元モデルをインポート→④情報の補完や最適化ののち、すべてのデータを単一の空間と時系列の中に統合→⑤計画地周辺の都市モデルを追加→⑥計画地域のハザード情報などに基づき災害シナリオを作成→⑦竹中工務店の保有するVR技術+maXimオリジナル開発技術でVR可視化→⑧利用目的に最適なVRデバイス用にVRコンテンツを出力
BIMモデルをもとに災害や避難行動を再現するmaXimの仕組み。①BIMから必要情報を抽出→②災害現象や人の避難行動を解析→③解析の結果や、建物の3次元モデルをインポート→④情報の補完や最適化ののち、すべてのデータを単一の空間と時系列の中に統合→⑤計画地周辺の都市モデルを追加→⑥計画地域のハザード情報などに基づき災害シナリオを作成→⑦竹中工務店の保有するVR技術+maXimオリジナル開発技術でVR可視化→⑧利用目的に最適なVRデバイス用にVRコンテンツを出力
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