管理人のイエイリです。
数百年に一度起こるレベルの地震や津波が発生したとき、いつものオフィスがどんな状態になるのか想像がつきますか。
日常生活からは想像できないような火災や水害が起こったとき、スムーズな避難ができるかどうかの決め手はズバリ、イメージトレーニングの有無にかかっているのではないでしょうか。
竹中工務店は、地震や津波、火災などの災害予測と、避難行動の解析結果を統合し、事前にイメージトレーニングができる統合VR(バーチャルリアリティー)システム「maXim」を開発しました。
地震、火災、津波の災害に見舞われたオフィスをVRで再現する「maXim」(以下の資料:竹中工務店)
このほど、maXimで再現した災害や避難行動の動画が公開されました。そのリアルさにはビックリしました。
それもそのはず、街並みや建物を再現するのに
ナ、ナ、ナ、ナント、
BIMモデルを活用
しているからなのです。
例えば、「地震→火災→津波×避難」を想定したVR作品は、オフィスが地震に見舞われ、家具類が倒壊するシーンから始まります。
オフィス内では給湯室で火災が起こり、煙が広がる中、社員が階段を通って屋上へと避難します。同時に付近の川があふれ始め、津波となってオフィスを直撃。廊下にまで濁流が押し寄せます。その水のリアルさには驚きました。
日ごろ、平和なオフィスの風景が災害時には一変してしまうことを、このようなVRを見て仮想体験しておくことで、いざというときに逃げ遅れる人はかなり減らせそうですね。
また、避難する人の視点のほか、第三者の目で避難行動の一部始終を見ることで、客観的にどんな問題があるのかも、明らかになりそうです。
もう一つ、公開されたVR作品「高潮×避難」では、建設業界の方にはおなじみの
竹中工務店東京本店ロビー
と思われる場所が、リアルに水没するシーンが描かれています。
地震が起こり、いすに座っている人も次々と立ち上がる
いつも、見慣れた同社のロビーが、数百年、数千年に一度の災害時にはこんな状況になる可能性もあるということを知っていれば、いざというときも冷静に行動できそうですね。
そして、最近、普及が進んでいるVRゴーグルでこの災害体験を行うと、さらに災害時の状況がリアルに体験できるでしょう。
竹中工務店はmaXimをハザードマップのVR化や避難誘導、ビジュアルなBCP(事業継続計画)などに活用していく計画です。