世界初の鋼製3Dプリント橋が造形開始!アムステルダムの飾り窓地区に架設へ
2017年10月2日

管理人のイエイリです。

オランダのベンチャー企業、MX3Dは世界で初めて3Dプリンターで鋼製の人道橋を造るプロジェクトを進めてきました。これまでの取り組みは、当サイトでも2015年6月24日の記事で紹介しています。

当時は線や網状の部材を、空中に造形することだけでも試行錯誤を繰り返し、苦労の連続でしたが、今、その技術は飛躍的に進歩していることが明らかになりました。

2017年9月19日、MX3Dはオランダ・アムステルダムの運河に架設する人道橋の、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

鋼製部材の一つが完成

 

したことを発表したのです。

MX3Dが3Dプリンターで造形した鋼製部材の一つ(写真:Joris Laarman Lab.)

MX3Dが3Dプリンターで造形した鋼製部材の一つ(写真:Joris Laarman Lab.)

造形中の3Dプリンター(写真:Olivier de Gruijter)

造形中の3Dプリンター(写真:Olivier de Gruijter)

部材の断面は複雑な曲線だが、内部に補強材なども造形されているのがわかる写真:Olivier de Gruijter)

部材の断面は複雑な曲線だが、内部に補強材なども造形されているのがわかる写真:Olivier de Gruijter)

巻き貝のような形からわかるように、橋の設計も当初から大きく変わりました。橋の安全性や材料の特性、技術的進化のため、最終的なデザインはジョリス・ラーマン・ラボ(Joris Laarman Lab.)によって2017年初めに決まりました。

実物大の鋼橋を造形できる3Dプリンターは、ロボットアームと溶接機を組み合わせて開発されました。

デザイナーや設計者にとっては、橋のデザインの幅が多く広がるほか、使用する鋼材の量を大幅に減らせる可能性もあります。

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両端が巻き貝のような形をした最終デザイン(2点の画像:Joris Laarman Lab.)

両端が巻き貝のような形をした最終デザイン(2点の画像:Joris Laarman Lab.)

完成予想図(資料:Joris Laarman Lab.)

完成予想図(資料:Joris Laarman Lab.)

鋼製部材の造形は、2017年5月に始まり、18年初頭まで行われます。そして、人道橋は架設現場となる運河の工事に合わせて、18年6月にオープンの予定です。

なお、人道橋は全長12mで、架設されるのは、

 

アムステルダムの飾り窓

 

地区にあるアウデザイツ・アフテルバーフワルなのです。

情感あふれる観光地に、また一つ、名所ができそうですね。

MX3Dは、アムステルダム市内にあるビジターセンターを2017年10月6日から、毎週金曜日に一般公開するそうです。

ヨーロッパへの旅行や出張のついでに、世界初の鋼製3Dプリント橋を造っている工場見学に行くのも面白そうですね。

世界初の3Dプリント橋を製作中の工場(写真:Olivier de Gruijter)

世界初の3Dプリント橋を製作中の工場(写真:Olivier de Gruijter)

【プロジェクト概要】
Location Bridge: Oudezijds Achterburgwal, Red Light District, Amsterdam, crossing Stoofsteeg
Technology: MX3D, Proprietary Software
Client: City of Amsterdam
Designer: Joris Laarman Lab
Lead Structural Engineer: Arup
Material Expert: ArcelorMittal
Digital Tools: Autodesk
Construction Expert: Heijmans
Hardware, computing: Lenovo
Hardware, robotics: ABB
Hardware, welding: Oerlikon
Hardware, air cleaning: Plymovent
Welding Gas, Air Liquide
Material: Stainless Steel
Length: 12.2 meter
Width: 7.5 meter
Height: 2.1 meter
 

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