管理人のイエイリです。
ここ数年、コンクリート系の材料を層状に積み重ねながら実物の建物や構造物を造る「3Dコンクリートプリンター」の開発が相次いでいます。
しかし、据え置き型のプリンターは設置や移動に手間がかかります。
そこで米国・カリフォルニアのベンチャー企業、カザ・コンストラクション・テクノロジーズ(Cazza Construction Technologies)は、3Dコンクリートプリンターを
ナ、ナ、ナ、ナント、
車両系建設機械
のような移動式ロボットにして、販売を開始したのです。
現在、同社のウェブサイトで受注を受け付けているのは「Cazza X1」とやや大型の「Cazza X1 Core」の2機種です。
Cazza X1は高さ5mまでの住宅や倉庫、商業ビル、プレハブ型枠などを造形することができます。お値段は、48万ドル(約5400万円)からとのことです。
施工に使うコンクリート系材料の配合は、現場の地域と気候によって調整できます。
その施工スピードは、床面積185m2の2階建て住宅の場合、8日間で施工でき、コストは従来の工法に比べて30%以上も削減できるとのことです。
使い方は簡単で、ロボットの制御と操縦について少し講習を受ければ使えます。また、ロボットには人感センサーが付いており、施工時の事故を防ぐようになっています。
また、オプションとしてコンクリートを吹き出すノズルの先までを0.8m伸ばす延長アーム(5万4200ドル)や上部構造を1.1mまで持ち上げるリフト(6万ドル)、造形したコンクリートの外面をスムーズにする仕上げ装置(3万4200ドル)も用意されています。
一方、やや大型「Cazza X1 Core」は、高さ6mの住宅やビルなどを施工でき、価格は62万ドル(約7000万円)です。
オプションは「Cazza X1」と同じものが使えるほか、現場内を自走し、自動的に位置決めを行える
オートパイロットシステム
も用意されています。価格は9万ドルです。
これがあれば、建物の3Dモデルデータさえ作れば、あとは3Dプリンターロボが自分で墨出しして、建物を造ることも可能になりそうですね。
これらのロボットは欧州で製作されているそうです。初回生産分のオーダーは30台限定とのことなので、興味のある企業は問い合わせてみてはいかがでしょうか。