管理人のイエイリです。
ビルや橋、プラントなどの点検に、ドローン(無人機)の活用ニーズが増えています。
人間がアクセスしにくい高所や広い範囲をドローンで一気に空撮し、その写真から劣化部分を探すという流れです。
しかし、膨大な写真を人間がいちいち見て、劣化部分をマーキングしたり、その場所を図面などで記録したりするのは、大変なうえ、担当者によって判断が異なる場合もあります。
そこで日立システムズは、この作業を自動化するため、日立建設設計の建物診断ノウハウを活用し、劣化箇所の「自動劣化診断機能」を開発しました。
大量の写真を
ナ、ナ、ナ、ナント、
AIにチェックさせる
ことで、劣化箇所を自動抽出することができるのです。(日立システムズのプレスリリースはこちら)
この機能は、日立システムズが2016年9月に販売を開始した「ドローン運用統合管理システム」の追加機能として、2018年4月から提供されます。(ドローン運用統合管理システムについては、2016年9月15日付けの当ブログ記事を参照)
劣化部分を探す機能は、AIでおなじみの「ディープラーニング」という手法を活用して開発されました。
ひびなどの写真データを蓄積したデータベースをAIに学習させることで、人間と同じように画像の特徴を手かがりにひびなどを判定できるようにする手法です。
劣化箇所の判定を自動化できるだけでなく、作業者によって異なっていた劣化箇所の判定基準を標準化できるというメリットもあります。
さらに画期的なのは、判定に使った膨大な写真データから、
構造物の3Dモデル
を作成し、劣化箇所などを3Dモデル上で管理できることです。
点検作業の報告レポートも、劣化箇所にマーキングやコメントを入れた画像データを取り込んで自動的に作成されるそうです。
これはかなり手作業を減らすのに役立ちそうですね。ひょっとすると、“準社員”のように黙々と働いてくれるシステムになるかもしれません。
日立システムでは、この自動劣化診断機能をまずビルなどの建築物向けに提供し、続いて橋梁やトンネル、プラントなどにも順次、提供範囲を拡大していく予定です。