管理人のイエイリです。
道路の維持管理業務ではまず、路面の劣化状態を正確に把握することから始まります。
そこで、3Dレーザースキャナーをクルマに搭載し、走行しながら路面の形状を計測する「MMS(モービル・マッピング・システム)」というシステムが使われていますが、リコーはこれとは違った手法を開発しました。
「路面性状モニタリングシステム」というものですが、わだち掘れや平たん性の計測に。
ナ、ナ、ナ、ナント、
複数のステレオカメラ
を使っているのです。(リコーのプレスリリースはこちら)
道路の維持管理では、路面状態を総合的に表す指標として「MCI(Maintenance Control Index)値」が使われています。MCIは「ひび割れ率」、「わだち掘れ量」、「平たん性」のデータから算出されます。
このうち、わだち掘れ量と平たん性の測定に、ステレオカメラによる撮影を使っているのです。その精度は、手作業での計測に使われているプロファイルメーターに比べて、わだち掘れが±3mm以内、平たん性の標準偏差が±30%以内となっています。
また、ひび割れは、路面の「輝度画像」をAI(人工知能)で自動判別することによって、1辺50cmのメッシュ内にあるひび割れの本数を読み取ります。
一度、路上を走行するだけで「ひび割れ率」、「わだち掘れ量」、「平たん性」のデータからMCI値を算出し、地図上に舗装の劣化度を可視化することができるのです。
このシステムはこのほど、土木研究センターが実施した「路面性状自動測定装置の性能確認試験」に合格しましたが、
ステレオカメラ方式では初めて
とのことです。
この合格で、公共事業の路面性状調査業務の実施が可能となり、リコーは受託業務として自治体が管理する市道の測定を開始します。
このシステムで使われているステレオカメラは、工場のファクトリー・オートメーションや物流、セキュリティーなどの産業分野で使われているものだそうです。
建設業の施工管理や維持管理がIT化されることにより、他産業で培われてきた技術も今後、どんどん使われていきそうですね。